◇47(丸山side) ページ47
＊＊＊
｢───Aさんと何話してたんですか？｣
暫く車を走らせてから、マネージャーが口を開いた。
窓の外へ向けていた視線をそちらへ向ければ、バックミラー越しに目が合う。
｢あの子、すばる君の事気付いとった｣
｢え･･･？｣
｢ここまで勘がええんも、困りもんやな｣
仕事の面では大助かりだが、まだ知られたくない事に関しては、少々面倒だ。
そのくせ、恋愛の事に関しては鈍いから、ちょっと腹が立つ。
｢それで、丸山さんは何て･･･？｣
すると、マネージャーから探るような質問が投げられた。
｢別に、何も答えてへんよ。まあ、答えへん時点で、さらに何かを勘繰られてる可能性はあるけど･･･｣
あそこで、"大丈夫だ"と、"何も心配はいらない"と、笑顔で答えられたらどれ程良かっただろう。
でも、何も言えなかった。
すばる君の話はまだ確定した訳じゃないし、この先どう転ぶかもわからない。
ただ、一番の理由としては、俺達が彼を止められる自信がなかったからだ。
きっと、もう止められない所まで来ている。
それに、彼自身の事をずっと近くで見てきたからこそ、これ以上は引き止められない。
そういう自分を貫き通す部分が彼の格好いい所であり、俺の好きな所でもあるから。
本当に、これ以上の皮肉はないな───。
＊＊＊
師走───とはよく言ったもので、年末は毎年目の回るような忙しさだ。
正月特番の収録や、歌番組のリハーサル、雑誌の取材に、ファンクラブ用のコメントを撮ったり書いたり･･････。
そして31日は、紅白歌合戦を終えたら急いで東京ドームまで移動して、気付けばあっという間に年を越してしまっている。
現在は、元日の午前2時だ。
事務所のカウントダウンライブを終え、着替えを終えて一息ついたところである。
しかし、この後のスケジュールはまだ残っている。
このまま神奈川の川崎まで移動して、毎年恒例の初詣を済ませ、家に戻ってやっと就寝だ。
正直、今とてつもなく彼女の声が聞きたい。
当たり前だが、こちらから連絡をしない限り、彼女からコンタクトを取ってくる事はない。
12月は忙しくて全然連絡もできなかったし、ライブツアーの時期も夏へ変わってしまった為、すき焼きを食べに行ったあの日以来、彼女との接点は皆無だった。
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めめこ(プロフ) - りなさん» ありがとうございます！楽しく読んでいただけて嬉しいです。続編作成中ですので少しお待ちください！ (2019年6月6日 12時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
りな - 本当におもしろいです！早く続き見たいです！ (2019年6月5日 23時) (レス) id: 9dc5982e37 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - ゆんゆさん» いつも読んでいただきありがとうございます！ヤキモチを通り越すくらいゆんゆさんにドキドキしてもらえるような作品にしたいと思います(笑)これからもよろしくお願いします！ (2019年5月26日 21時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
ゆんゆ(プロフ) - いつも更新を楽しみにしています。まるたーの私なので、上手くいって欲しいと思う反面、感情がリアルに伝わるってくるので、上手くいったらヤキモチ妬きそうで今から心構えを、なんて思ってしまいます(笑)これからも楽しみにしています！ (2019年5月26日 19時) (レス) id: e91edee03b (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - colorfulcrayon2さん» ご感想ありがとうございます！プロだなんて嬉しすぎます(><)更新頑張ります！！ (2019年5月23日 7時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2019年5月3日 15時
