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『───あ、あの･･･お邪魔しました･･･！』
「車降りるだけで、どんな挨拶してんねん」
バックミラー越しに大倉さんと目が合うと、後部座席にいた私の緊張は更に増し、咄嗟に背筋がピンと伸びた。
「俺は車入れて戻るから、先に軽いやつだけ持ってって？」
運転席の大倉さんは、そう言いながら体を捻ると、私の隣に置いていた、いくつかの袋を指差した。
『はい、わかりました』
「雨やから足もと気ぃ付けや？自分、足滑らせて頭とか打ちそうなタイプやから」
『そこまで間抜けじゃありません･･･』
心配してくれているのか、単に貶されているのか。
その真意は彼にしかわからないが、己の沽券を守る為にも、ひとまずそう言葉を返しておいた。
すると大倉さんは、鼻で小さく笑い、口元をニンマリとさせながら、こちらに涼やかな視線を向けた。
その表情だけで、「果たしてどうだかな」と私の発言を信用していないのが伝わってくる。
『･･･じゃあ、先に戻ります』
しかし、これ以上言い合っても仕方ない事は目に見えているので、不服ながらも荷物を手に取ると、私は車のドアを開けた。
昨日の晴天が嘘だったかのように、今日はどんよりとした雲が広がり、朝からシトシトと雨が降っている。
そんな中、私は大倉さんの運転する車に乗せられ、南青山の家具雑貨店までお供をしていた。
何故そんな事に至ったのかと言うと、発端は昨日の昼まで遡る。
サンルームに出したベンチを大倉さんはとても気に入ったようで、クッションを置きたいと言い出した所から始まった。
殺風景だったサンルームに、彼の観葉植物を置き、それからベンチを置き、そして大倉さんのインスピレーションが湧き上がったのだろう。
クッションから始まり、ちょっとしたテラステーブルを置こうだとか、ランタンのような照明があった方が雰囲気が出るだとか、とにかく物凄い勢いでまくし立てられた記憶がある。
そして日を跨いでも尚、その勢いは収まらず、現在この状況を迎えている。
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匿名希望 - 更新ありがとうございます！めちゃくちゃ好きです！ (2022年10月11日 1時) (
レス) @page27 id: cc9a8b8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 更新ありがとうございます！続きがたのしみです◎ (2022年4月5日 4時) (レス) @page4 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年4月3日 17時
