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しかし、名刺の事を知っていると言う事は、やはりこの人があの時の男性だったという事が、これでハッキリとした。
『その節は、本当にすみませんでした･･･』
「いやいや、Aさんこそ、足首とか大丈夫でした？」
『はい。湿布貼ったら、痛みもだいぶ引きました』
こんな状況下でも、王子様の優しく落ち着いた声を聞いたら、少しずつ不安が和らいでいく。
「なに？二人知り合いやったん？」
すると、そこへ割って入ったのは、常時こちらへ冷たい視線を向けていた悪魔だった。
「知り合いっていうか───ほら、この間話したやん？マネージャーが危うく轢きそうになった人の」
「あー、急に飛び出してきて名刺置いてった変な女の人な」
"変な女"･･･。
まあ、否定はできないが･･･。
直球すぎる言葉選びに、ただでさえ低い自己肯定感が更に低くなっていく。
シュンと背中が丸まっていき、肺が圧迫されたせいか呼吸も浅くなっていく。
「大倉、さすがに言い方があるで」
しかし、そこですかさずフォローを入れてくれたのは、やはりこの優しい王子様だった。
だが、大倉と呼ばれていた悪魔の方も、一歩も引くような姿勢は見せず、更に言葉を続ける。
「こいつ、この前話したストーカーや」
その言葉に、私はギョッとして顔を上げた。
その瞬間悪魔と目が合い、そのすぐあとには王子様と視線がかち合う。
『だから･･･それは───』
すぐに否定しようと発した声は、驚く程かすれてしまっていた。
「あ〜！値引きシールの人やろそれ？大倉が70％オフになったやつ！見切り品の大倉！」
しかし、こちらの焦りなどよそに、明るい声を上げたのは、王子様だった。
指をパチンと鳴らし、どうだと言わんばかりの表情で、隣の悪魔へ笑顔と共に視線を向けている。
「だからそのネーミングやめろて」
「いやだって、その話むっちゃオモロかったからさぁ」
ムスッと不機嫌そうに顔をしかめた悪魔を、王子様はケラケラと笑って指さしていた。
その様子に、ひとまず胸を撫で下ろす自分がいる。
良かった。とりあえず王子様には、変な誤解を与えずに済んだようだ。
するとそこへ、鬼のような形相をした管理会社の人が、スピーカー設定にしたスマホを私の前へ差し出してきた。
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めめこ(プロフ) - 匿名さん» 癒やしだなんて･･･！こちらこそ、ありがとうございます！ (2022年4月3日 8時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夜な夜な作品読ませていただいています、日々の癒やしです、ありがとうございます！ (2022年3月30日 2時) (レス) @page45 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» まさにうちキュンに影響された作品です(笑)引き続き応援よろしくお願いします！ (2022年2月21日 22時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うちキュンですね♡何か本当に頭の中にこのストーリーの映像が浮かびます(^^)応援しております！ (2022年2月20日 23時) (レス) @page24 id: bdc8ba7bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年2月11日 20時
