□38(丸山side) ページ38
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「───ただいま〜」
大阪での生放送を終え、取材を一つ受けてから家に帰ってきた。
夕方と言うにはまだ早い時間だったし、どこかふらりと寄ってから帰ろうかとも思ったが、ふとあの子の顔が頭に過ぎり、気付けばまっすぐと帰路についていた。
しかし、玄関を開けると部屋の中は静まり返っており、おかえりなさいの言葉どころか、人が動いている気配すらなかった。
２人とも出払ってんのかな？
だが、リビングの手前にある彼女の部屋のドアが僅かに開いている事に気が付き、俺は静かに近寄った。
『───Aちゃん？』
声を掛けるも、返事はなかった。
しかし、耳鳴りすらする程の静かな空間に、微かにだが呼吸音が聞こえた。
『Aちゃん？開けるで？』
本人に聞こえていなければ無意味だと思いつつ、一応声を掛けてからドアを開ける。
そして、俺は目の前の光景に大きく目を見開いた。
「───どういう状況やねん」
それから、すぐに苦笑が滲む。
ベッドの上に穏やかな表情で眠る彼女。その額には冷感シートのような物が貼られていた。
そして同じく、そのベッドに上半身だけ突っ伏すようにして、床に座ったまま寝てしまっている大倉。
「･･････」
俺はこめかみを掻いて短く息を漏らすと、足音に注意しながらそっと2人に近寄る。
ベッド脇に置かれたサイドテーブルには、空になった一人分の鍋の器と、風邪薬の箱が置かれていた。
Aちゃん、風邪引いてもうたんか───。
昨日の今日で、俺がいない間に何があったのやら･･･。
しかし、2人の穏やかな寝顔から、互いにとって良い進展があった事は十分に伝わってくる。
喜ばしい事だ。
けれどどうしてか、少し寂しいとも思ってしまった。
俺は羽織っていた薄手の上着を大倉に掛けてやると、そのまま部屋を出ていった。
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めめこ(プロフ) - 匿名さん» 癒やしだなんて･･･！こちらこそ、ありがとうございます！ (2022年4月3日 8時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夜な夜な作品読ませていただいています、日々の癒やしです、ありがとうございます！ (2022年3月30日 2時) (レス) @page45 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» まさにうちキュンに影響された作品です(笑)引き続き応援よろしくお願いします！ (2022年2月21日 22時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うちキュンですね♡何か本当に頭の中にこのストーリーの映像が浮かびます(^^)応援しております！ (2022年2月20日 23時) (レス) @page24 id: bdc8ba7bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年2月11日 20時
