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丸山さんの様子だと、ついさっき帰って来たようだし、いつからこの家に居たんだろうか。
私はちらりと出入り口のドアへ視線を向けた。
すると、私の視線の意図を読み取ったのか、丸山さんが「ああー」と声を漏らす。
「今日は下の玄関から入ったから、Aちゃん気付かへんかったのかも」
『え･･･？ああ、そうでしたか』
5階の玄関から？あれだけ今まで避けていたというのに。
それって、やっぱり───。
「───部屋さ」
すると、ニコリと人懐っこい笑みが私へ向けられた。
「少し見ていく？」
出窓のスペースにぎっちりと並べられた丸山さんの置き物コレクションは、どれもこれも個性的な物ばかりだった。
統一性も特に無さそうだし、本当に好きと思った物だけを置いているのだろう。
『あの、このぬいぐるみみたいなやつは何ですか？』
「ああ、それはイエティ。かわええやろ？」
『イエティ･･･』
名前を教えてもらい、私はもう一度そのイエティとやらに目を向ける。
7体が仲良く横一列に並べられ、一番左に置かれた子に至っては、隣のイエティと肩を組むように手が置かれていた。
丸山さんの遊び心に、ついクスリと笑ってしまう。
『確かに可愛いですね。それによく見ると、みんなちょっとずつ個性があって･･････なんだか家族みたい』
パッと見たら同じぬいぐるみ。
でも、一つ一つ毛色や佇まいが少しずつ違って、不思議とそれが個性のように見えてくる。
「そう！そうやねん！みんなちょっとずつ違うのよ！この目のボタンもな？ヴィンテージのやつ使ってるから、一体ずつみんなちゃうねん！」
並べられたイエティを眺めながら嬉しそうに話す丸山さんの横顔に、私の胸が何とも表し難い高揚感に包まれる。
初めて出会った時とはまた少し違う、もっと深い感覚。
優しい王子様のような一面もあれば、暗く脆い人間らしい一面もある。
この一月の間に、ほんの一部ではあるだろうが、"この人自身"を知る事ができたからかもしれない。
それが嬉しくて、自然と私の口角も上がってしまった。
すると、パッと丸山さんと目が合った。
それからふわりと優しく微笑まれ、一瞬のうちに自分の頬が熱を帯びていく。
「よし！お夕飯にしよか！」
真っ直ぐと私だけに向けられた笑顔に、心がむず痒くなった。
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めめこ(プロフ) - 匿名さん» 癒やしだなんて･･･！こちらこそ、ありがとうございます！ (2022年4月3日 8時) (
レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
匿名 - 夜な夜な作品読ませていただいています、日々の癒やしです、ありがとうございます！ (2022年3月30日 2時) (レス) @page45 id: d8f1726f33 (このIDを非表示/違反報告)
めめこ(プロフ) - みーこさん» まさにうちキュンに影響された作品です(笑)引き続き応援よろしくお願いします！ (2022年2月21日 22時) (レス) id: ca01f690f5 (このIDを非表示/違反報告)
みーこ(プロフ) - うちキュンですね♡何か本当に頭の中にこのストーリーの映像が浮かびます(^^)応援しております！ (2022年2月20日 23時) (レス) @page24 id: bdc8ba7bac (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：めめこ | 作成日時：2022年2月11日 20時
