なな ページ9
「呑気に喋って居ますが、もうすぐ授業が始まるのでは?」
「「「「「あ......」」」」
この様子では、忘れて居たようですね
「椚先生の授業ですけど、大丈夫でしょうか?」
「お前、ズルいぞ!何でもう、準備終わってんだよ!?」
「ふふ。授業の準備をしてから、談笑をしているから、でしょうか?」
佐賀美先生ですと、多少遅れても何とも言われませんが、椚先生はそういうところは厳しいので、お小言は免れないでしょうね
「さぁ、授業を始めますよ。おや?桔梗くん以外準備ができていないとは、まったく。さっさと準備をしなさい」
「ふっ.....」
「ちょと、きーくん。笑わないでよ」
仕方ないじゃないですか。だって、面白いのですもの
「最後の人には、罰として今日やる教材を朗読してもらいます」
「頑張ってくださーい」
最有力候補は、凛月さん。朝であるからか、動きが緩慢です
「あらあらあら。衣更さん。頑張ってください」
衣更さんに抱きついて動きを封じましたね。これは、衣更さんの可能性もあるのでは...?
「衣更殿!このままでは、負けてしまうぞ!」
「衣更くーん。頑張れー!」
おや、衣更さん。這って席にたどり着きましたね。
「えぇ〜。ま〜くん。代わって?」
「やだね。凛月。ちゃんとやれ」
「朔間くん。教科書172ページ、源氏物語です」
「しかたないなぁ...いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり......」
いつも、思うのですけど『源氏物語』って授業でやっていいものなのでしょうか?大分、昼ドラですよね?
「はい。おわり〜。ま〜くん、ちゃんとやったからご褒美頂戴?」
「何で俺に矛先が向くんだよ!そして凛月!却下だ!!!」
「お二人とも、今は授業中、ですよ」
椚先生の雷が落ちる前に口をつぐんだ方がよろしいですよ。と暗に伝えるとそろりと椚先生の方を向く二人。ちゃんと伝わって良かったです
「はぁ、まったく。桔梗くんありがとうございます」
「ふふ。こちらまで飛び火するのは嫌でしたので」
今日は昼休み渉と食べる約束をしていますので、ね?
「つくづく貴方らしい答えで安心しましたよ」
「ありがとうございます?で、よろしいので?」
貶されているのか誉められているのか、反応に困るのですけど
「おや、もう時間ですね。それでは、これで終わりにしましょう。起立、礼」
「「「「ありがとうございました」」」」
153人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:月うさぎ | 作成日時:2022年1月5日 13時