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「お早う御座います。あら、神崎くん。相変わらず早いのですね。」

「おはよう。桔梗殿も十分早いと思うぞ?」

「昔から寝起きの悪い幼馴染みがいましてね。彼を起こすのがいつのまにか私の日課となっていますよ。」

本当に、渉は昔から寝起きが悪くて。今は大分ましになったのですよ?

「桔梗殿はその幼馴染み殿が大好き、なのだな」

「えぇ。とても、大好きで、大切で、自慢の幼馴染みです。」

本当、すぐ演じて隠そうとするのは悪い癖ですけど。

「そういえば、最近”五奇人”とやらの活躍が顕著であるな。」

「生徒会長朔間零を筆頭とした天才達の集まり、ですよね?確か、隣のクラスの逆先夏目さんもその一員ですよ。幼馴染みが『嬉しそうに可愛い弟ができた。』と話していました。」

「桔梗殿の幼馴染み殿はいったい何者なのだ........?」

「あら、名前、言ってませんでしったけ?彼は日々樹渉。五奇人の一員の日々樹渉ですよ。」

おや、口がポカンと空いていますが、どうしたのでしょう?渉が私の幼馴染みということにそこまで驚きますか?

「おーい、神崎くーん?戻ってきて下さい?」

「はっ!驚きで思考を飛ばすとは不甲斐ない.......」

「ふふっ。そんなに驚きますか。その反応も久し振りで面白......ごほっごほっーーーー!?」

「桔梗殿!?だ、だいじょうぶではないな!?誰かよんで来る故しばし待ってくれ!」

「かんざ、くん。ごほっ、だいじょぶ、ですから、ごほっごほっ、すこ、まって」

「だが....」

「ごほっ、ほんとうに、だいじょうぶですから、もうすこし、まって、ごほっ、ください」

取敢えず、制服の裾を掴んでいるので教室から出れないとは思います。

「こほっ、ふぅっ、ふっ、あ、あ、もう、大丈夫、です。」

呼吸が落ち着いたようです。落ち着かないと説明もできませんので、早めに落ち着いてよかったです。

「大丈夫ですよ。神崎くん。さっきのは只の咳ですので。まぁ、只のと言うには少々酷い気もしますけど」

「あぁ。とても酷い咳であったぞ。それに、時折ヒュッやら、カヒュやら聞こえた故酷く焦った。」

あら、過呼吸なりかけてたのですね。自分ではよく分かりませんでしたけど.....

「私、人よりほんの少し、体が昔から弱くて、すぐ風邪を引いてしまうのです。先程のはその一部でして、気にしないで頂けると助かります」

「そうか....ならば、桔梗殿が苦しければいつでも我に言ってほしいのである!無理は禁物であるぞ」

ろく→←よん



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作者名:月うさぎ | 作成日時:2022年1月5日 13時

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