49 ページ49
.
初めて
祐也くんよりも先に起きた今日。
昨日のまま 服も着ずに隣で眠る彼に
どうか届いて、と
私にたくさんキスをくれた唇に触れ合わせた。
もう隣にいられない、か。
祐也くんなりの別れの言葉だったのか
正直いうなら
理由が知りたいし、聞きたかった所だけど
これ以上話しても
別れたくないと言っても
どうにもならないことだと
「 バイバイだね、祐也くん 」
自分から先に離れることを決めた。
朝起きたら、祐也くんはどう思う？
机に置いた手紙を読んだら
…どう思う？
私たちはきっと
仕方の無い別れ、なんだろうけど
それが何よりも寂しいんだよ。
昨日の夜
私の無理なわがままを聞いてくれたこと
祐也くんは凄く焦ってたけど
私は嬉しかった。
何も後悔なんてしていない。
自分にとって一番楽な別れ方を選択できた。
帰りの便のためのチケットは
結局 一枚しか必要なくなったし
お金も申し訳ないんだけど
怒らずに許してくれるかな。
言いたいことは山ほどあって
少し心苦しいけど
「 祐也くんの特別になれて嬉しかったよ…っ 」
今は、この一言で片付けた。
後は手紙に書いてあるから…それに託そう。
音を立てないように
キャリーケースを持ってドアを開ける。
……祐也くん
優しい貴方だから、
どうせ別れる理由は私のためとかなんだろうけど
どうか自分を責めたりしないでね。
早く私も前を向けるようにするから。
チェックアウト時間には早すぎるけれど
無理にお願いをして 許可をもらった。
「 ありがとうございました 」
一礼して、空港へと向かう。
少しずつ離れる祐也くんとの距離
一歩歩く度に、涙が止まらない。
独りはこんなにも辛いものかと
それは、祐也くんも同じだろうけど
早朝の座席が埋まってなかった便を当日予約して
それに乗って帰る。
楽しかったな、沖縄旅行。
楽しかったな、今までの思い出。
ありがとう。祐也くん。
初めて愛せた私の大切な人
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 413人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葵ゆき - １つお願いが。まだまだ新米ですが小説が書こうと思います｡で、少しこのお話に似てしまうと思うのですが、このお話の名前を小説に出していいか聞きに来ました。。 お返事待ってます。 (2019年4月6日 22時) (
レス) id: 4e7532b7f3 (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - きみえさん» きみえさん、コメント嬉しいです！ありがとうございます〜！！(≧▽≦) (2018年10月5日 22時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
きみえ(プロフ) - 切ない、、、大好きな作品です！！続編楽しみにしています！！これからも応援してます！ (2018年10月5日 22時) (レス) id: 07ca606d01 (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - きたにかこやまさん» きたにかこやまさん、コメントありがとうございます。無事こちらは完結しましたが、まだまだ続くのでぜひ応援してくださると嬉しいです（＾_＾）！ (2018年10月5日 21時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
真子(プロフ) - ナナしさん» ナナしさん、何だか読まれてしまってコメントを返せずにいました。ごめんなさい。私的にこの小説はもっと続けたいので最後まで見守ってくれると有難いです。（＾_＾） (2018年10月5日 21時) (レス) id: c5ebfa47eb (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：真子 | 作成日時：2018年8月13日 2時
