猫田くん逃げる ページ31
「あのさ、聞いてもいいかな。黒曜くんが入院してるか」
みんなで歩く帰り道、疑問を口にした
光「・・・怪我とかじゃないよ」
少し気まずそうな言葉や態度に触れたらダメな話題だったかなと思いながらも見ていれば彼は続けた
光「最後の一時帰宅いつだったけ?楽しかったよなぁ・・・」
夕焼けの街並みのようにほんの少し切ない空気が流れる。
優「・・・サプライズの準備もしないとな」
劇の練習を先ほどしていたが何の話だと首を傾げれば神谷が口を開いた
神谷「1人でも麗しい存在がいた方が・・・」
「・・・それなら特待生で良くない?」
神谷「え?」
「麗しい女子がいた方が、護先輩も男だし嬉しいでしょ」
原作に戻そうとした特待生の為に
なんて嘘である
本当はあの見透かす目が怖かった
自分の嘘を言い当てられそうで
自分の存在がバレしまいそうで
森「あのな、こんなこと言いたくないんだが俺達は特待生のこと信用してない。彼女、お前に仕事押し付けてるって聞いたぞ」
「ちょっと先輩、噂を丸呑みするのはナンセンスだよ!」
オイ誰だ今はるっぽいとか言ったやつ聞こえてんぞ
「あのさ、何十年ぶりの特待生でましてや女の子だよ、変な噂が付きまとうのは仕方ないかもしれない
でも、あの子だって確かに頑張ろうってここにきたのは変わらないんだよ。」
それに
「おれはあくまでサポートって言っちゃったしね。ごめん、俺からのおねがい!特待生ちゃんに手伝わせてあげてよ」
もしかしたらあの子の命もかかってるのかもと思えば非情になんてなれなかった。
光「.......わかったよ。確かに俺たちも悪かった、ごめんね。特待生に頼んでみるよ。」
「!ありがとう」
光「Aが言うことじゃないよ!でもホント君はいいこだね、誰かのために頭下げるなんて。
それに、少し響いたよ、確かにそうだよね根も葉もない噂なのかもしれないし何より相手のこと噂だけで判断するのは間違いだよ。
後輩にこんなこと教わるなんて恥ずかしいな!でもありがとう」
まっすぐとした言葉に目を見開いた
「あなたがいるから纏まってるのかもね」
光城「え?」
「ううん!なんでもない!でも劇は出なくても手伝えることたくさんあるし!いつでも言ってよ!やれることは全部やるから!」
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作者名:ゆめの | 作成日時:2019年3月1日 15時