The Story of Us (ページ24)

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1 ＊黒い涙ウジページ24

「お邪魔します」

どうぞ、と顔を出す彼女

玄関に入って香るのは、芳香剤と、彼女の匂い

「ジフナ、ジュース飲む？」

「おう、ありがとう」

ソファに座ると、俺の横に座って同じようにジュースを飲む

バイト先で知り合った彼女の名前はA

初めは大人しくて、綺麗な感じで、少し話しかけづらい印象があって

俺もあまり話したことはない人だった

ある日、バイトのゴミを捨てに裏庭に出た時

ベンチに座って、携帯を握りしめた彼女がいて

長い髪のせいで、表情はまったく見えなかったけれど

震える肩は、なんだか悲しそうだった

「あの、そんなところにいたら風邪引く...」

俺の声に顔を上げた彼女は

涙を流していた

その顔が綺麗で、忘れられなくて

それから、彼女に話しかけようと思った

「あの」

「はい？」

「大学生ですか？」

「...ジフンくんと同い年だよ。そんなに老けてみえた？」

「えっ...いや、すごい大人っぽいから、てっきりヌナかと」

「ははっ、冗談だよ！怒ってないから！」

初めて彼女の笑顔を見た

弾けるような元気な笑顔と、今までのギャップに

俺は簡単に恋に落ちた

俺の歳、知っててくれてたんだ

家に帰ってからも、彼女のことばかり考えて

お気に入りのバラードを聞きながら、その曲に彼女を当てはめていた

それからも色んなことを話せる関係になって

彼女と話すうちに知っていったのは、つい最近まで恋人がいたこと

あの日見た涙は、そいつを想う涙だったんだ

Aの隣にいたい

隣で、もっと色んなことを話して

そいつも知らない彼女を、もっといっぱい知りたい

気づけば俺の足はAの元へ向かっていて

バイト終わりの彼女を待ち伏せた

そして、伝えた

「Aが、好きだ」