プロローグ ページ1
桜舞う4月。新入生が期待と不安を抱えながら迎える初登校日。
後輩ができるということに胸を高鳴らせる在校生と緊張でいっぱいの新入生が我先にと張り出されたクラス表を確認している。
一喜一憂する声が溢れる中、1人の男子生徒が表を確認できたのかすぐさまこの人混みから脱出し教室に向かう。
男子生徒の容姿からなのか、まるでモーゼの十戒のように人混みにもかかわらず、生徒たちが左右に別れてその真ん中を男子生徒は何も気にせずに歩いていく。
そして、男子生徒が通り過ぎると、目がハートになったり、コソコソと話し出す生徒達。
「ねぇ!今の子見た!?めちゃくちゃカッコ可愛いくなかった!!??」
「ヤバ!え、同じクラスなんだけど!?」
「1年生だよね?彼女いるのかな?」
「流石に居ないんじゃない?」
「決めた!いても関係ない!!アタックするわ!!」
「え、妖精??」
「いや、天使だろ」
「俺、あの子なら男でもいけるわ」
そんな声が耳に入っているのかいないのか、黒板で確認した席に着くなり、席に伏せて寝始めた。
教室内にいた生徒たちは、呆気にとられた。1番窓側の席の後ろから2番目、風が吹きカーテンが揺れ花弁が舞う。
色素の薄い陶磁器のような肌、ハーフなのか綺麗な蜂蜜色のふわふわとした髪、そこに、桜の淡い桃色が合わさり思わず息を呑む生徒たち。
「……桜の妖精みたい」
誰かが言ったその一言に、頷いた。
これは、正に今注目を集めている人物と部活の先輩達との涙あり、笑いあり、時々闇ありの青春の物語。
100人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:わらあわ | 作成日時:2023年7月2日 5時