玖《4》 ページ10
伏黒side
「俺、ちょっとトイレに…」
「でっけぇ方ー？」
「やめてください」
『キレんなよ』
「あんたには言われたくない」
どうやら俺の先輩にあたる人らしい
5人の呪術師達
歓迎会なんてものを開いたのは
恐らく五条先生の発案だろう
この人らが自分からやろうとしたとは
思えないし
「恵」
「五条さ…先生」
「仲良くやれてる？しばらく1年生1人だけだし、2年と動くことが多くなるかもだから仲良くしてね」
「…狗巻先輩も禪院先輩も、みんな強いと思います。けど、あの黛先輩は分からない。呪力が常に不安定です」
「そうなんだよね」
狗巻先輩は俺よりも上級なだけあって
実力は確かな感じがする
なにより呪言なんて扱える人初めて見た
禪院先輩は禪院家とは思えないほど
一般人に近い
呪力も感じない
でも強い、それは分かる
四級にいていい人じゃない
でも黛先輩は、なんだ？
体内と付近の空中、地面、壁
全てにあの人の呪力を感じる
目には見えない何かがいる
あまりに不可思議だ
分からないのは怖い
「Aはね、強いんだ」
「…それは、贔屓じゃなくて事実ですか？」
「事実だ。現に二級にして一級呪霊を祓った実績がある」
「……あの人の術式は…」
「君に似てるよ、どっちかと言えばお父さんの方かな」
「…武器庫…いや、別の空間…？」
「そういうこと」
でも、それで何になる
あの人は禪院先輩と違って呪具を使わない
別空間を持っていながらだ
宝の持ち腐れか
それとも俺の思っているものとは違うのか
「Aはそれぞれ3つの別空間を持つ。『庫』は君の思う別空間をそのまま映し出したようなものさ。でもAはこれを戦闘では使わない」
「なぜです」
「弱いからだ。Aはスパルタでね、弱いものが大嫌いなの。これは私用にしか使わないって、僕も一番最初に説明された」
「…なら、何を使って戦うんです」
「……残りの2つは完全に戦闘向きの別空間さ。1つ、『冥』。2つ、『棘』。冥は呪霊にとっての彼岸だ。Aは呪霊のあの世を持っている」
「…それ、危なくないですか」
「もちろん安全のために数日以内に中身をリセットしているらしい。逆流の心配はないよ」
呪霊なんて元から死んでいるようなもの
それにあの世なんて与えて
それで成仏させた気にでもなってるのか
祓えば消える、ただそれだけだろ
やっぱりあの人は、半端者だ
.
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わらびもち - 主さんの文章力で夢主の心の闇がきっちりと表現されてる…。場面も分かりやすい…。すごい…。これからも頑張ってください！ (2021年1月16日 12時) (
レス) id: a494b1d180 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月27日 21時) (レス) id: 495bc5f437 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白いです頑張ってください！ (2020年10月25日 11時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - *瑠璃*さん» 良かったです！今後外れていなかった際はご報告頂けると嬉しいです…！ (2020年10月25日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
*瑠璃* - 絵描きさんさん» 大丈夫です！ちゃんと外れていますよ！ (2020年10月24日 11時) (レス) id: f48c22676e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2020年10月19日 23時
