拾《5》 ページ11
伏黒side
「恵、僕がなぜAの話を君にしてると思う？」
「……分かりません」
「Aの暴走を防ぐためだ」
暴走、という言葉には呪術的な意味がある
呪術師にとっての暴走とは
精神的なものと物理的なものだ
幾度の呪霊を祓うことは
並の人間には耐え難い
精神的な限界から暴走する
もう一つは、急速な呪術の成長による暴走
又はゾーンなどによる一時的な暴走等
その体に耐えきれないほどの物理的暴走
滅多に聞かない
術式が暴走するなんて話
でも、高専の呪術師が動くだけの
立派な理由になる
「…あの人は自分の術式を会得してないんですか」
「そう思うのも当然だけど、Aは僕と同じ天才なんだよね。生まれつき呪言を持って生まれ、齢2才にして呪術に触れて育った。術式を会得してない？まさか、理解しまくってるよむしろ」
「……なら、なんで暴走なんて…」
「一度暴走してるんだ、Aは。校舎は半壊、教員は3人死にかけた」
「なっ、それならとっくに高専からいなくなっててもおかしくないですよね」
「僕が上に掛け合って、条件付きで退学を免れたんだ。「高専内では、呪言は五条悟にしか使わないこと」「帳が降りていない状態で術式を無意味に使用しないこと」Aは自分自身を縛ってまで生徒の安全のためにこの条件を飲んだ」
「…呪術師として満足に動けません、終わってます」
「そうだね、上には本当に…呆れるよ」
五条先生の空気が一瞬変わった
怒りの圧だ
肌がピリピリするほどの怒り
黛先輩は多分、優しい人なんだろう
いつも怒ってるけど
それでも優しさが隠せてない
"あ、部屋暑い？ごめんねぇ、この部屋しか空いてなくて"
あれは俺だけに向けた言葉じゃない
あの場にいた全員に向けて聞いたんだ
答えたのが俺だけだったから勘違いした
「本当は優しいんだ、凄く。この歓迎会もあいつはすぐに賛成した、初めての後輩を早く迎えたかったんだよ」
「……俺に、何を期待してるんですか」
「…憂太、いるでしょ？あの子もうすぐ海外に行くんだ、いつ帰るかはまだ分からない。Aは憂太を信頼してる。Aの心に触れられる数少ない友人がいなくなるんだ、Aの精神面が心配なわけ」
「………代わりっすか」
「言い方。けどまぁそうかなぁ…でも、代わりを用意したって受け取るかは分からないんだ。だから代わりになれるかは恵次第」
女の世話は津美紀で慣れてる
やってやるよ
.
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わらびもち - 主さんの文章力で夢主の心の闇がきっちりと表現されてる…。場面も分かりやすい…。すごい…。これからも頑張ってください！ (2021年1月16日 12時) (
レス) id: a494b1d180 (このIDを非表示/違反報告)
みかん - 更新頑張ってください！応援してます！ (2020年10月27日 21時) (レス) id: 495bc5f437 (このIDを非表示/違反報告)
きゃーぽん(プロフ) - 面白いです頑張ってください！ (2020年10月25日 11時) (レス) id: 0aee990b2e (このIDを非表示/違反報告)
絵描きさん(プロフ) - *瑠璃*さん» 良かったです！今後外れていなかった際はご報告頂けると嬉しいです…！ (2020年10月25日 1時) (レス) id: 215c832e11 (このIDを非表示/違反報告)
*瑠璃* - 絵描きさんさん» 大丈夫です！ちゃんと外れていますよ！ (2020年10月24日 11時) (レス) id: f48c22676e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2020年10月19日 23時
