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「…じゃあ、言ってみればええやん。「こんなの望んでない、私はみんなが幸せになって欲しい」って」
『なぜ？この願いは、本来なら彼自身が抱くはずだったものよ。私がそれを願っても、彼が同じようにそう願っていない限り実現することはないわ。あの人が私の願い一つで自分を変えれるとは思わないもの』
あの日
初めて会った日
彼の曇りなき眼に目を奪われたわ
一生腐らないんじゃないかと思わせる
綺麗で純粋な瞳だった
だから、信じた
彼はいい王になるんだろう
そう信じて頑張った
彼が王として立派になった頃
私が生きてる保証なんてないけど
それでもロボロが不自由なく暮らせるなら
彼にこの国を任せたい
彼ならきっと…
そんな願いだってあったのよ
期待じゃなくて、願いね
そうなればいいなっていう
可能性に縋っていたの
だからもしも彼がいい王様にならなくても
絶望なんてしない
傷つかない
『……傷つかない、はずだったのよ』
はずだった
彼がまた戦争を繰り返し
国民を戦力として使うのなら
ロボロはどうなってしまうのか
マリーは？
ロボロのお友達の子はみんな農家の子
強制入隊させられたら
ロボロはひとりぼっち
『トントンさん、私…どうすればいいのか分からないわ』
「………」
『本当は、きっと…多分ね？期待していたんだわ、彼に…ロボロと、いつかまた暮らせる日を、彼が守ってくれるって…きっと私も、死なずに済むって…』
「………」
『信じてたのよ…ずっと、この2年間…』
「もう一回聞かせてくれ、お前の"ほんと"の願いはなんや」
ほんとの…？
なにを言ってるの
私の願いはさっき…
「あれは貴族で、姉ちゃんで、兵士としてのお前の願いやろ。みんなが幸せ、ええことやん。俺やってみんながみんな幸せなら嬉しいわ。でも俺は、自分の願いは別でちゃんとある。なにも全部を抱え込む必要はないやろ？自分が一番可愛くて当たり前や、自分のことだけ考えや」
『自分の、ことだけ…？』
…分かんないわよ
考えたことないもの
いつも誰かのことばかり考えていたわ
ロボロのこと、マリーのこと
鬱くんのこと、トントンさんのこと
ひとらんさんのこと、ロボロの友達のこと
グルッペンくんのこと
「簡単や。誰のことでもなく、自分が一番幸せになれる方法…あるやろ？」
『………』
私は、幸せなんて
望んじゃいけないと思ってた
願望を、口にしていいの…？
.
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らむね@プリ小説もやってるよ！(プロフ) - コメント失礼します！最初から一気見をしてあっという間に時間が経ってしまいましたwゆっくりでいいのでこの後の更新も気長に待ってます (11月8日 11時) (
レス) @page22 id: 81e25a727e (このIDを非表示/違反報告)
きゃらめる飴飴 - とても面白くて、最初から一気見してしまいましたwww更新楽しみにしています。 (2022年4月29日 21時) (レス) @page22 id: 8c48bd4d9d (このIDを非表示/違反報告)
るな(プロフ) - コメント失礼します！ハマって最初から読ませていただきました！とっても面白くて、これからの展開が楽しみです！次の更新楽しみにしてますね(*´꒳`*) (2022年2月19日 20時) (レス) @page19 id: 7aebf15c07 (このIDを非表示/違反報告)
まっち売りの少女(プロフ) - コメント失礼します！更新お疲れ様です！ずっと待ってました！ゆっくりでいいので更新続けて貰えると嬉しいです´`* (2021年10月11日 0時) (レス) id: 69c159beb8 (このIDを非表示/違反報告)
蝶花 - 更新待ってます！ (2020年12月26日 20時) (レス) id: 38881abff7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：絵描きさん
| 作成日時：2020年7月9日 2時
