過去 ページ6
｢ある日、寂しくなった私は父に抱きついたんですよ。
そしたら蹴られてしまって。壁まで吹っ飛んでとても痛かったのを覚えてます。
そこから父の暴行は歳を重ねるにつれて酷くなっていきました。殴る蹴るは当たり前ですが、タバコを押し付けられたり、歯が折れたり、ミドルスクールの頃には性的な暴行もありましたね。｣
｢正直死んでしまいたかったです。
でも、何故か生き続けるんですよ。人間って不思議ですよね。｣
自虐じみた笑みで彼女は笑った。
｢カレッジに上がって、父は逮捕されました。私は親戚の家に転がり込んだんですが、やっぱり犯罪者の娘ってだけあって視線は心地いいものじゃなかったですね。家でも、学校でも。｣
｢ユニバーシティでは一人暮らしをしてたんです。
元の家に帰って、それ相応に近所の人とも仲良く過ごしてました。それでも虚しさは消えなかった。
2年に進級した夏の頃です。あ、私の国では入学式や進級する月が4月なんです。多分こっちは9月とか？になるのかな。
それで、夜に海へ向かったんですね。
馬鹿騒ぎしてる観光客がうるさくて、追っ払いに行ったんですよ。そしたら、そこには小さい人魚が倒れていて。
とりあえず観光客は追っ払い、その人魚を抱え海へつかったんですよね。眠っていたその子は目覚めて、海へ帰って行ったんです。でも、その後すぐ帰ってきたんですよね。彼、なんて言ったと思います？ 帰るところがない、そういったんですよ。3歳の男の子がですよ。あまりにも残酷ですよね。｣
｢その男の子を、拾ったと｣
｢そうですね。最初は、親みたいに暴力振るうような人間になってしまったら、と子育てに対して恐怖しかなかったです。それでも、接していくうちに、可愛いなぁ、って
思うようになったんです。でも、いつかは帰ってしまうって、当たり前じゃないですか。それが悲しくて、深く干渉しないようにしてたんですけど、ダメですね。
体当たりでぶつかってこられました。しかも自覚無しなんで余計にタチが悪いですよ。｣
ヘラりと笑う彼女の姿。今度は自虐じみたそれではなく、心の底から愛おしそうに笑うものだったのでつられて頬が緩んだ。
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Ria*(プロフ) - すみませんごめんなさい…。前にしたコメントゆっこさんのことを呼び捨てに…！！わざとじゃないんです、ごめなさい！ゆっこ"さん"です！訂正させてください！！ (2020年8月6日 10時) (
レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
白玉の星(プロフ) - 速く………………速く………………思い出してほしい…これからも頑張ってください……………… (2020年8月5日 21時) (レス) id: 897ea2c55e (このIDを非表示/違反報告)
ちぃすけ。(プロフ) - 全編見たとき泣きました…（ ; ; ）この作品が今までで一番好きです！！更新ものすごく楽しみにしてます！！頑張ってください！ (2020年8月5日 20時) (レス) id: 0f6c0c9d97 (このIDを非表示/違反報告)
Ria*(プロフ) - 続編心待ちにしてました！ゆっこの作品大好きです！これからも楽しみにしています！！ (2020年8月5日 18時) (レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - 名前変換させてほしい… (2020年8月5日 12時) (レス) id: ed99c8170d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年8月4日 20時
