苦しくも愛おしい ページ22
まだかなまだかなと遠足前の子供のような浮かれ具合。
自身もプレゼントされた着物に着替える。
魔法を使えば、一瞬で着替えることが出来る。
気付ける手間も省ける魔法とは本当に素晴らしい。
｢着替えましたよ｣
｢おけー｣
いつもガッチリ着こなしてる姿ではなくカッターシャツとパンツスーツという本人にしてはラフな格好。
ユキはジャージ姿が見て見たかったと裾を噛んだ。
｢じゃあまず1着目ね｣
呪文を唱えるとクロウリーが光に包まれる。
パット弾けるとスーツは見事な正装へと変わっていた。
｢おぉ！これが、ハカマと言う服ですね！｣
｢どう？｣
｢素晴らしいです！！｣
黒をベースとした落ち着いた色で構成された袴。
クルクルとまわり、全体を確認しはしゃぐ姿にヤッタ！と内心ガッツポーズをキメたユキだった。
｢ねぇパパ。写真撮ろうよ｣
｢いいですね！｣
カメラをセットし、2人並んで撮る。
そこに写った2人の姿はメモリーを飛び出し、仲良く微笑みあっていた。
｢しゃ、写真から、とびでてきた｣
｢あぁ、そう言えば初めてでしたね。
このカメラはゴーストカメラと言ってですね、被写体の姿だけでなく、魂の一部も写し取ることができるんですよ｣
それだけでなく、と話を続けるクロウリー
｢撮影者と被写体の結び付きが深くなるとメモリーを飛び出し実態を伴って出てきたり動画のように動いたりするんです。｣
｢ということは、私たち結び付きが深いってこと？｣
｢そういうことになりますね｣
目が合い、柄にもなく照れてしまった。
｢ま、まぁ、家族として当然の結果じゃないですか！｣
｢そ、そうだね！｣
そっぽ向きながら恥ずかしさのあまり大きくなる声で会話を続ける。
恥ずかしいが、それ以上にやっぱり嬉しいもので。
父親というのを知らない私にとっては喜ばしいことこの上ない。
｢では、これを｣
｢ありがと｣
2枚のうち1枚を私に渡すパパ。
この後、着物もプレゼントした。パパはホクホクな表情で帰っていった。
パパが帰っていった後、フォトフレームを魔法で作り上げ、自分の部屋の勉強机の端に飾った。
顔がニヤける。ここにはその表情を他人に見られる心配をすることがないので、盛大にニヤけた。
スキップしながらバスルームへと向かった。
フロイドと撮ったら私達のようにメモリーから飛び出してきてくれるのだろうか。
｢.......もう、会えるはずがないのにね｣
寝る直前、そんなことを思ったが、今思い出しても悲しいだけだと自分の心に蓋をした。
【苦しくも愛おしい過去の話】
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Ria*(プロフ) - すみませんごめんなさい…。前にしたコメントゆっこさんのことを呼び捨てに…！！わざとじゃないんです、ごめなさい！ゆっこ"さん"です！訂正させてください！！ (2020年8月6日 10時) (
レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
白玉の星(プロフ) - 速く………………速く………………思い出してほしい…これからも頑張ってください……………… (2020年8月5日 21時) (レス) id: 897ea2c55e (このIDを非表示/違反報告)
ちぃすけ。(プロフ) - 全編見たとき泣きました…（ ; ; ）この作品が今までで一番好きです！！更新ものすごく楽しみにしてます！！頑張ってください！ (2020年8月5日 20時) (レス) id: 0f6c0c9d97 (このIDを非表示/違反報告)
Ria*(プロフ) - 続編心待ちにしてました！ゆっこの作品大好きです！これからも楽しみにしています！！ (2020年8月5日 18時) (レス) id: 33e95337be (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑 - 名前変換させてほしい… (2020年8月5日 12時) (レス) id: ed99c8170d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ゆっこ | 作者ホームページ：https://www.pixiv.net/novel/series/1297564
作成日時：2020年8月4日 20時
