38 (健side) ページ40
俺が夕食を作ろうと、キッチンの方へ行くと
貴｢あの、私が作りますよ⋯｣
と、美月が微笑みながら俺を止めた
健｢え、でも⋯｣
貴｢いいえ、私に作らせて⋯｣
健｢わかった。火、気をつけてね｣
美月は、｢そこまで子供じゃありませーん！｣と言い、キッチンに立った
(待てよ？美月ちゃんの手料理⋯？クッキー以来だよな⋯！)
嬉しさを隠し、リビングに戻り
健｢おい、お前、まじでなんなの？｣
愛｢は？なんだよ⋯｣
と、小声で俺はあいつに話しかけた
健｢お前、いつから美月ちゃんと仲良いんだよ⋯｣
愛｢あれー？もしかして焼きもち？｣
やっぱこいつ嫌いだ
果てしないくらい嫌いだ
(まじうっぜー！ほんとに何こいつ！！)
しばらく小声で言い争っていると
貴｢出来ましたよ⋯｣
と、美月がテーブルに、出来上がったカルボナーラを置いていた
愛｢わ、カルボナーラ⋯！俺好きなんですよ！｣
たしかに俺も好きだ
そして、よく小さい頃に愛蔵のリクエストで作ってやっていた
健｢俺も⋯好き⋯⋯｣
貴｢ふふ、本当？良かった⋯。じゃあ食べましょうか！｣
｢いただきます！｣と三人で食べ始めた
健・愛｢うっまー！！！｣
すごく美味しくて、俺達は物凄い勢いで食べた
貴｢ふふ、そんなにがっつかなくても、カルボナーラは逃げませんよ？｣
と、美月に笑いながら言われ、二人して恥ずかしくなった
そして食べ終わり、俺が洗い物をした
貴｢すみません、洗い物⋯｣
健｢いや、いいよ。作ってくれたし！それと、薬は飲んだ⋯？｣
貴｢あ、忘れていました⋯ありがとう｣
(忘れていましたって⋯ちょっと抜けてるな⋯。まぁ、そこが可愛いけど)
少し笑ってしまったが、こんなことを言ったらきっと拗ねてしまうのだろう
(ほんっと、何しても可愛いな⋯⋯)
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作者名：りんご飴 | 作成日時：2019年6月6日 23時
