狂い愛（短編集）

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「行ってきます」

と言いながら誰もいない家を見渡す。
罪悪感はあるもののたまにはいいでしょと心に言い聞かせて家を出る。

ほんとは1人で家を出ることは禁止されていた。
食料品はネットスーパーで買って帰りに渉くんが受け取って来る。
衣類だって欲しいと一言でもいえば大量に買ってくる。

初めは抵抗した。けど、､､､
私がはいと言うまで何度も何度も酷いことを沢山されて。


それに食料品だってネットでは買えないものだってある。
だから、と言い訳をしてたまには外を出歩いてしまっている。




いい天気だなって思いながらベンチに座る。

帰りたくないなぁ､､､。


「あれ？ めあ？」

そう言われ見上げた先には見覚えのある彼がいた。

『センラくん､､､？』

センラくんとは幼なじみだった。
とはいえ大学に入る時別れてしまってそれ以来あってなかったのだけど。


「やっぱめあやんな！久しぶりやわぁ」


そう嬉しそうに言う彼が懐かしくて自然と笑みが零れる。


「そういえばこの後空いとる？

久しぶりにご飯一緒に食べません？」


ふと頭によぎった渉くんの言葉。

でも､､､今日だけはそう思ってしまった。


大丈夫。

彼は今仕事だから。







「んで？ 今めあは何してはるの？」

ご飯と言われて少し緊張していたが入ったのは雑誌とかに紹介されてそうなおしゃれなカフェ。

センラくんと久しぶりに話したのもあるけど、初めてこんな感じのカフェに入ったに入ったのも相まって新鮮な気持ちだった。

『今？ 今は専業主婦だよ笑 センラくんは？』

私が言うと彼はスパゲッティをフォークに巻きながら私に目線を合わせた。

「今は営業の仕事してるんよ。

そっかぁーめあ結婚したんかぁ」


残念だわぁとか笑いながら美味しそうに先程巻いた麺を食べる。

なんかこういうの好きだなと思いつつやっぱり渉くんのことが心の片隅にあった。
あんなに酷いことをされても私はまだ彼が心のどこかで好きなんだと思い知らされ苦笑する。まぁ恐怖心もあるのだけれど




「じゃあまたな」

あれから話こんでしまいギリギリな時間になってしまった。
名残惜しいけど、バレたらどうなるかわかんないから。


『うん。またね。』



歩き出そうとした瞬間、私はつまずいて階段の下の方に傾いていた。

やばい。落ちる。


周りがスローモーションに見えて目をつぶった。




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さすがに短いと思って足したら変なとこで切れちゃった()

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