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母さん…… ページ4

母の衝撃の宣告から一週間後、僕は妖城学園の大きすぎる門の前に立っていた。

生まれてこの方十五年、妖なんて見たことも聞いたことも無く、そもそも存在すら知らなかった。

母の話では、一般の人間には妖という存在を知らせていないのだと。

知っているのは、惹宮家のような特殊な家系と、妖ハンターという妖祓いを専門にする人たちだけらしい。

それなら自分も、知らないまま生きていたかった




  ★★★


あの話を聞かされたあと、頭を整理しきれずにとりあえず逃げるように寝た。


起きてみると、母が朝食を作り、父が新聞に目を通すといういつもと変わらない平和な光景が広がっていた。

挨拶を交わして席に着くと、母が朝食をテーブルに並べる。あまりにもいつもの日常通りすぎて、昨日のことが夢の中での出来事に思えた。



(そっか、夢だったんだ。そうだよね、妖なんているわけないし…)



ほっとしてコーヒーの入ったカップを口に運ぶと、母が思い出したようにパン、と手を叩いた。



「そうそう、彩灯。妖城学園の入学手続き済ませたから、三日後くらいには荷物を送ってほしいって。朝ごはん食べたら必要な荷物まとめておいてくれる?」




『ぶふぉっ!?』



「キャー!ちょっと大丈夫!?何してるのよ!」



『ご、ごめ…わっ!父さんごめん!大丈夫!?』



夢だと思い込んだ瞬間にさりげなく母に現実だと言われ、飲んでいたコーヒーを吹き出してしまった。しかも、正面に座る父の顔面に。


慌てて謝ると、父はタオルで顔を拭きながらにっこりと笑った。



「気にしないで。いきなり妖だなんだって言われて彩灯も混乱してるんだよな?まぁ、なんだ。気にするなっていっても無理かもしれないけど、いつも通り生活してれば大丈夫だよ」



「あらぁ、いつも通りっていうのは厳しいかもしれないわねぇ。こっちが何もしなくても、妖が勝手に寄って来ちゃうんだもの」



「母さん……」



父がせっかくこっちの負担を軽くしようとフォローしてくれたのに、母が笑顔でツッコんだせいで台無しになってしまった。

君、人間だよね?→←序章2



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(プロフ) - 途中までは同じ内容ですが、更に話を増やしていくので、もうひとつの方をよろしくお願いします! (2018年7月15日 19時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 過去最高76位、お気に入り登録20人ありがとうございます!今日見てびっくりしました…携帯壊れてなければ続けられたのに!ほんとに泣きそうです。評価も一気に増えて、嬉しい限りです。! (2018年7月15日 18時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この作品をお気に入り登録してくださった方々、もしよろしければ新しい方の作品もよろしくお願いいたします! (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 完全にデータがとんだので、IDも違います。他にもかなでさんという名前の作者さんがいらっしゃったので、名前も変えました。、 (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - この作品の作者です!スマホがぶっ壊れてデータが全部消えて、作品を途中から続けることができなくなりました。なので、新しく書き直そうと思います。 (2018年7月14日 13時) (レス) id: d6d502d1d8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:孤爪かなで | 作成日時:2018年3月14日 23時

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