小 児 科 病 棟 の 女 の 子 。 6

帰 院　[ 248 ] ページ21

* 奏side *


「 楽しかったね〜 」


「 … うん 」


　


水族館 を 出ると 、 フル だった テンション も

少しずつ 落ちてきて 、 だんだん 静か に なってきた 苦笑 。

　


朝から はしゃいでたし 、 夕方 も 近いし 疲れたかな？

なんて 思いながら 車 を 発進 させた 。


　


この後 一度 家 に 戻って 、 準備 を して

少し したら 病院 に 戻る 予定 。



　


・



　


「 ほい 、 到着〜 」


真 「 … はーい 」


　


結局 下がったまま だった 真愛ちゃん を 連れて 、

いったん 帰宅 。


　



「 真愛ちゃん 疲れてたら 少し 寝てていいよ？

寝てても ちゃん と 乗せてあげる から 」


真 「 … ぅん 」


　



そうは いっても 、 眠りたいわけ では ないらしく 。



こたつ に 入りながら 昨日 と 同じように

テレビ を 見ていた 。






何か 考えているような 、 そうでないような気 は したけれど

ひとまず 自分 の 支度 を 優先 することに した 。












「 真愛ちゃん 、 そろそろ 行こうか〜 」




　

いつもみたいに 一人 じゃないから 、 少し 早め に

家 を 出ようと 思って 真愛ちゃん に 話しかけた 。




　



真 「 … 真愛 、 また 水族館 行けるかな？ 」


「 ん？ 」


真 「 今日 ね 、 すっごく 楽しかった 。

でも 、 今日 病院 に 戻ったら また 暫く 入院 でしょ？

… 暫く 、 こんな 楽しいこと 、 ない でしょ？ 」


「 … でも 、 頑張って 病気 治して 退院 したら 、

行きたいところ どこだって 行けるよ？ 」


真 「 … 真愛 には 、 退院 して 帰る 場所 も ないのに？ 」




　



その 言葉 は 、 さっきまで 無邪気に はしゃいでいた

少女 の 言葉 とは 思えなくて 。

　



それ と 同時 に 、 やっぱり 子ども は どんな 状況 でも

感じ取ってしまう 繊細 な 生き物 なんだな と 感じた 。




　



「 帰る場所 なんか 、

なかったら 作れば いいんじゃない？ 」


真 「 … え？ 」


「 また おいで？

それから 、 もう そんなこと 言わないで？ 」


真 「 …… 。 」


「 退院 するとき には 、 そんなこと 言わせないように 、

真愛ちゃん の 帰る お家 を 作ってみせるから 」


真 「 …… ！ 」


「 悩み は 解決 した？ 」


真 「 …… うん 」


「 じゃ 、 行こうか 」


真 「 … うん 」









次に 車の中 で 見た時 には 、

いつもの 無邪気 な 表情 に 戻っていた 。

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