推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

肆佰拾漆の型 ページ17

．






宇髄天元side




突然、ピタリと止んだ











鬼の気配、音、殺気














宇「ああ、勝った…」












終わった、長い戦いの幕が降りた





これで悲しむ奴も、泣く奴も相当減る









「！？！？！？






…なんだぁ、このとてつもない悲惨な音は」







あいつらが戦っている方面から勢いよく、大波の様に聞こえてきた音





鬼舞辻死んだろ？なんで悲しいんだよ



新しい化け物でも出たのか？





遠くから鎹鴉が飛んでくる




鴉までもが悲しい音を出していた。




宇「お館様、大変で…



！？！？！？




お館様！？！？！




病が…！！！」






お「鏡を、あまね、鏡をくれ」




声を荒らげてお館様が言う



鏡を渡すあまね様




それに映る自分をみてお館様は涙を零した




お「病が…完治…した…」




周りが歓喜の声をあげる中、鴉だけは違った











とてつもない訃報だった




「鬼月 A 鬼舞辻ト戦闘ノ末 相打チ ト ナリ 死亡 ！！！」







しん、とその場が静まり返った










A





鬼殺隊最強の隊士



彼女は任務を遂行しなかったことは無い




一度もだ。





後輩隊士にこの上なく尊敬され、愛されている




そんな隊士が、死んだ





「嘘…だろ…」





脳内で再生されるAとの思い出





あー、やべぇ





俺あいつのこと好きだし、嫁にしようと思ってたし





宇「ｯ…」





あまね「Aさん…」





お「そうか…



Aの死は誰もが悔い、悲嘆するだろう




ひとまず皆の心身を優先しよう」




それから指示を出し始めるお館様



こんな状況なのに流石だな



だがつらいはずだ




お「ｯ…」





あのおちつく声音も今では震えている





涙声なのだから





A、どうして死んじまったんだ





どうか、戻ってきてくれ。

肆佰拾捌の型→←肆佰拾陸の型

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す