推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

肆佰壱の型 ページ11

．







獪岳side





は？おい



A？？



灰になってやがる





つまりはこれは…







夢ってことか





あいつが死ぬ訳が無い



俺が強いと尊敬した奴だ



俺の事もみとめてくれた












にしても気味が悪い夢だな





虫唾が走る







「…」






？？







夢ならもう覚めようぜ






妙にリアルすぎる夢に嫌気がさした




だが何秒経っても現状は変わることなく、




仲間の泣く姿しか目に入らない






「待てよ…」






自分で自分の腕を軽く切る





ピリッと鋭い痛み




血と同時に溢れたのは 涙




は？現実だと？




嘘、A死んだ？





Aが、死…







もう会えないっつー事かよ？






A、おい、A







説明しろよ、聞いてねぇ







呼びたくても声が出ない






口だけがパクパクと動く






なあ、マジで無理だぞ、A






戻ってきてくれ、頼む





どうしたらいい？




声が枯れるまで叫べば戻ってきてくれるか？





瀕死まで体を痛め付ければ戻ってきてくれるか？






なあ、どうしたらいいンだよ…





鬼殺隊入る前からずっと


俺、お前の事好きだったのに






偶に朝、起きて会う時のあの"おはよう"ってやつ




もう聞けねぇのかよ？



稽古も、もっと強くしてくれねえのかよ？




もう撫でたり、抱き締めたりも、？






「嘘だろ…ｯ？」





あの笑顔を


あの優しさを


あの声を


あの温もりを









「Aｯ…」

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