推しは守り助けるもの 漆【鬼滅の刃】

参佰壱の型 ページ1

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無一郎side





Aが灰になって散っていく




なんで？なんでAが死ぬ必要があるの？



だめだよ、死んじゃだめだよ



A、だめだよ、だめだ



そんな想いは届かず、完全にAが消えた




残ったのは彼女の隊服と刀のみ




Aの灰はふわふわと辺りを舞い、僕ら隊員を包み込む




鼻を掠める彼女の匂いに喉がキュッと締め付けられた



同時に身体中の傷が癒え、呼吸も安定した




僕だけじゃない、全隊員だ




隠も含む全隊員。




Aの鴉は死傷者が居ないと言った




ということは…




無「お館様は生きているのですか…？」




悲「ああ、Aの酒呑童子が護ったんだ」





無「ｯ…Aには本当に適わないなあ」





溢れる涙はどうにも止まらない




A…





自分の命を捨て、僕らは生かした




鬼舞辻に同情までして、心中自 殺



死んで欲しくなかった。彼女には1番生きて欲しかった




いつも守ってばかりだ。自分の優先順位は後回し







なんて優しい人なんだろう。





僕の師範は、想い人は





なんて尊い人なんだ





一緒に家へ帰りたかった




またいつものように稽古をつけてもらって






一緒にご飯を食べて





寝て、起きて、朝がきて





Aが居ない生活など耐えられない













僕も直ぐに逝こう







無「ｯ…」







自分の刀で刺そうと喉仏ギリギリのところで腕が止まった






いや、"何か"に止められたんだ







見えない"何か"に。











"無一郎くん 死んじゃだめだよ"








無「！！！！」






懐にある手紙を取り出した



手紙、この為でもあったのか？




ここまでAは読んでいたのか？




僕が自刃しないようにと…





手紙を抱き締める







無「っ…」





ああ、もう、神様は本当に意地悪だ。

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