70話 ページ22
「Aさんって、何だか不思議な人ですよね」
きっかけは敦くんの言葉だった。
それは悪口でも何でもないただの独り言のようなものだったのだが、思ったよりも店内に響いたので全員が彼の方を見た。私もその一人。
「えっと、上手く言葉に出来ないんですけど……他の人とは違う様な」
「嗚呼、判るよ。纏う雰囲気が少し変わっているよね」
「僕も少しだけ変わってるなァと思ってました」
敦くんの言葉に同調する太宰さんと谷崎さん。
ナオミちゃんはよく分からなさそうな顔をして、確かめるように私を見つめている。
冷や汗が止まらない。
異世界人だってバレる……?そうなれば多分文ストの事もバレるし困る!無理!
というか、リックが言ってた異世界人特有の雰囲気って簡単には分からないものなんじゃないの!?
……あ、探偵とか人を見る職業には分かるかもって言ってたわ!もう無理じゃん!全員探偵とかなんだけど!
「そ、そうですか!?全然そんな事ないと思いますけど!!!」
「Aちゃん、凄く目が泳いでいるけれど」
取り敢えず誤魔化そうと思ったら、顔に出ているらしかった。
無理だよ〜!太宰さん相手に嘘付けるわけないじゃん、そんな事したら私死ぬよ?
「いや、別に責めている訳じゃないよ!Aちゃんのその……雰囲気?全然嫌な感じじゃないし!」
「敦くん好き……」
しどろもどろになっていると、私がショックを受けていると勘違いしたのか、敦くんがフォローを入れてくれた。
流れるような告白にめちゃくちゃ照れてる。可愛い。
「まあ、確かにAちゃんの雰囲気は何方かと云うと、人を惹きつける様なものだよね」
「はい!だから全然気にする事ないよ」
「え、え、それって褒められてるの?」
太宰さんの補足に敦くんがうんうんと頷く。
よく分からないけど、褒められてる事にしておこう。
そう言えば敦くんって探偵社員になったのは今日なのに、どうして私の雰囲気に気が付いたんだろう?
孤児院で人の顔色を伺って過ごしてきたから……とか?もしそうだったら私が異世界人だってバレるのも時間の問題だし、色んな人に私の雰囲気が変わってる事気付かれてるよね?まずくない??
365人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「文豪ストレイドッグス」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
食塩水(プロフ) - 名前さん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!優しいお言葉、身に染みます…これからも不定期更新ではありますが、あんなにお待たせしないように書き進めていきたいと思います! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - まやさん» 長い間待っていて下さりありがとうございます!これからはあんなにお待たせする事がないように書き進めていきたいと思います…! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
食塩水(プロフ) - あやめさん» 更新お待たせ致しました…!2ページ"も"と捉えて頂けてありがたいです!自己満足な作品ではありますが少しでも楽しんで頂けるよう、もっと更新出来るように頑張りますね! (2020年6月14日 22時) (レス) id: b80a6fdf4d (このIDを非表示/違反報告)
名前 - 更新されてる……ありがとうこざいまああす!これからも作者さんのペースで頑張ってください!楽しみに待ってます!! (2020年6月14日 21時) (レス) id: 6e285a92e8 (このIDを非表示/違反報告)
まや(プロフ) - 更新ありがとうございます!!これからも更新待ってます!頑張ってください!!!! (2020年6月14日 15時) (レス) id: f151b0ddd6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ