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第五幕 ページ8

「さ、サインだと…?」
「ええ。あ、申し遅れました、
私はグルッペン・フューラーと申します」

いきなり部屋に入ってきた恐らく男、声を聞くだけだと私は彼の声は少し胡散臭い印象を持った。いや、そもそもサインを貰うだけに控室前にいた護衛の者の呻き声は聞こえるのか。私ははそんな事を考えたが父も同じなようだ。

「さ、サインを貰うために何故外の者の呻き声が聞こえるのだ!?貴様のような怪しい奴にサインなど…!」

父は反論した。
声を聞けば怯え強がっているのがわかる。
gr「…そういえば、今日の娘さんの歌声
とても素晴らしかったですね」
「!…な、何をいきなり…」
gr「いやぁ本当に素敵だった、
全く、"いくら"で手に入れたんでしょうねぇ?」
「な、何を…」
gr「トントン」
tn「コルぺ・アルバーノ。実業家、57歳。
45歳の時に自ら立ち上げた会社が今では世界でも有名な一流企業に成長、今では数多くの音楽や娯楽などに力を入れており…」

声が変わった、違う男が話している。
父の今までの経歴などを話している。
だけど、何か、変だ。

tn「表向きは善良な実業家。でもあんた、裏では異能持ちの子供売り捌いてるいう話や、あんたの自慢の娘さんも、あんたの子やないんやろ?」
gr「彼女が異能持ちだからお前は目をつけた、そして彼女の歌声は金になると思ったお前は彼女の父と偽り育て、こうやって歌を歌わせた。彼女から自由を奪ってでもな」

男たちの言葉に私は震えた、彼らの言っている事が本当の事だから。私らあの人の子供ではないことは昔から知っていた。あの人が子供たちを売っていることも私で金儲けをしていたことも、でも、私は逃げ出そうとは思わなかった。私を必要としてくれた、初めての人だったから。彼を、"父"を裏切れなかった。

「黙れ…黙れ黙れぇっ!!」

それは恐ろしく、低い声だった。

「金を稼いで何が悪い!奴らは国の為にあの忌まわしい力を使えばいいのだ、戦争で散っていけばいい、生まれた時からこの世に存在していないような存在だったのだから!それは私は!世のためにと使ってやったんだ!こいつだってそうだ!歌しか歌えない、目は見えない役立たず!異能持ちだっていうだけでも忌々しいというのに、ここまで育ててやったんだ!!」

父の言葉が深く突き刺さる、
心臓を抉られているような気分だ。
そしてバンと銃声が、狭い控室で鳴り響いた。

「愚か者が」

***

長くなりそうなので分けます。

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蜘蛛 - 素晴らしい作品をありがとうございます! 更新、無理しない程度で頑張ってください! (2018年9月17日 20時) (レス) id: 0208853f54 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:てい | 作成日時:2017年1月25日 3時

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