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ニタリと歪んだ顔。ヘタな芝居をする必要がなくなったと言う加藤ジュリーは朗々と語る。鈴木アーデルハイトが連れ去られるのなら、シモンファミリーは事実上の解体だと。古里炎真も完全覚醒が目前で、精神的に引き返せないところまで来ているから問題ないと。
青褪める鈴木アーデルハイトは、彼がそんな人間ではないと信じていたんだろう。
「やはり一枚岩ではなかったな……」
「彼が怪しげな情報源、もとい黒幕ってところだろうね」
「お、いい勘してんじゃん。アルコバレーノと信者サマは」
バカにするような呼び方にムッとする。
「ここまでくれば、ボンゴレ側にも隠すこたねーよな。いいや、むしろ挨拶をした方がいいですね。腐った若き、ボンゴレ達よ」
霧が集まって晴れた頃に、姿が変わる。あの髪型似ているけど、違うな。獄寺隼人が彼は初代霧の守護者、
初代ってことは既に死んでいる身だと思うけど、あれは幻覚ではないようだし。どういう手段を使っているかは知らないけど、どうやら生きながらえてるみたいだね。
全く亡者は亡者らしく土の中で眠っていればいいのに。そういう存在が多くて困るね。
「お前のような男が生まれる限り、私は在り続けるのです。沢田綱吉」
「本物のD……そんな……ジュリーがD・スペードから情報を得ていたのは知っていた……だが、まさか……ジュリーがD・スペード本人だなんて……ではジュリーはどこに……」
「今までよくシモンを引っ張ってくれましたね、アーデルハイト。加藤ジュリーも私の器として感謝していることでしょう」
器として……。なるほど、器を挿げ替えて生きてきたんだろう。ここまでくると、醜いを通り越して笑えてきてしまうよ。
「でも一体……何のために……」
「何のため……？そんなことはお前が生まれる遥か前から決まっています。全てはボンゴレのため」
「ボンゴレを創った�祇い箸いγ砲詫イ譴織蝓璽澄爾任呂△辰燭�、欲に欠けていた。しかし、マフィア界においては強欲と力こそが絶対的正義」
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作者名：怜
| 作成日時：2023年2月20日 23時
