誇りの戦い来る! ページ18
あれから一睡もできなくて、朝を迎えた。敵陣の中ってこともあって、ここで安眠するのは難しい。それなら眠らないほうがいいって思っちゃうんだよね。幸い眠らなくても問題ない体だし。
まあ、問題ないってだけで眠くはなるけどね。
「それにしても驚くことばかりだな」
歩きながら話している彼らの数歩後ろをついていく。一本道になっているから、迷わずにすみそうだけど。誘われているみたいであんまり好きじゃないな。とはいえ、シモンファミリーからたどってこいと言われているみたいだから、逸れることはしないだろうけど。
しばらく階段を歩いていると、ようやくてっぺんが見えてくる。
「登りきった所で一休みしましょう」
「そうだね。それにしても一体どれだけ歩かせるんだろう……あっ!!」
一足先に上に辿り着いた沢田綱吉が建物があると言う。密集したレンガの屋根が見えて、廃れているけど、ここで暮らしてたんだろうなって。
薄らと人の気配を感じる。1人だけだね。シモンファミリーの誰かなんだろうけど、ここからじゃ分かりづらいな。
建物の方へ歩いていく沢田綱吉たちを横目に、警戒を怠らない。罠があったら嫌だし。だというのに、沢田綱吉たちは無遠慮に建物が密集する場所へ歩いていく。リボーンがいるから、危険な目には遭わないと思うけど。
「誰もいないみたいだね……」
「かなり老朽化してますよ」
ぶつぶつと声が聞こえてきて、2人がようやく警戒を見せる。挙動が遅いんだよねぇ。心配を通り越して苛立ってくるよ。どうしてこんなに遅いのって。
ここが敵のアジトだって忘れてるのかな?それとも、彼らを敵として見ていないの?ああ、馬鹿馬鹿しい。あんなことをされてなお、友達だという思考がおかしいんじゃないかとすら思う。
それが美点であることも知っているけど、その甘さは身を滅ぼすと伝えたはずだよ。
声の主はシモンファミリーの1人である
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作者名:怜 | 作成日時:2023年2月20日 23時