襲撃作戦来る! ページ16
あれから悩み続けた結果、もう考えないことにしたんだ。だって、ヒバリさんの言う通りだから。僕は僕で、それ以外の何者でもない。
そもそもエンティティさまの信者が人間なんかに、人形にだって務まるわけがない。だから、僕は僕。うじうじ考えてたって仕方ないことだ。
ようやくトレーニングにも精が出るようになって、本来の僕に戻った感じがする。心なしか体も軽く感じられて、今までうまく嵌まっていなかった歯車が綺麗に組み合わさった気分だ。
久しぶりに与えられた小休止に時間を持て余して、探索でもしようかと腰を上げる。とはいえ、ヒバリさんのアジトは既に回りきってしまったし……。ボンゴレ側のアジトでも散歩しよう。
脳内マップを頼りに、向こう側のアジトに続く扉をくぐる。一通り荷物が散乱した通路を歩いて、エレベーターに呼ぼうとボタンを押したとき、反対側から歩いてくる人影が見えて目を向けた。
リボーンだ。1人って珍しい。
「ちゃおっす、A」
「どうしたの?」
「話しかけにきてやったぞ」
上から目線のその言葉に苦笑を返した。僕の肩に乗ったリボーンに指示通り歩くように言われて足を動かせば、さっき通り過ぎた作戦室に辿り着く。促されて中に入ると、沢田綱吉やラル・ミルチ、草壁さんもそこにいた。顔を歪めるとリボーンが僕の頬を軽く叩く。
「話を続けてもよろしいでしょうか」
「ああ、わりーな」
「構いません」
肩から降りたリボーンは台で高さを増した椅子に座った。部屋から出ようとすればリボーンに睨まれて、渋々扉の横の壁に背をつける。
「骸の手掛かりとして気にしているものがもう一つ。この写真に写っています」
「あっ、それって……前に見せてもらったヒバードの……」
途中から話を聞かされても分からないんだけど……。適当に聞き流していれば、アラートが上がった。モニターを見ると、丸い印が映っている。
「何だ、ジャンニーニ」
「一瞬ですが、データにない強いリングの反応が……黒曜ランド周辺です」
「黒曜ランド!?」
「ただし、このあたりは電波障害がひどく、誤表示の可能性も高いです」
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作者名:怜 | 作成日時:2022年10月24日 23時