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そう、だから、本当にどっちでもいいんだ。どっちでも僕がやることは変わらないから。エンティティさまに従い、力を貸す。そしてエンティティさまの目的から違えば、切り捨てる。やることはなに一つ変わりはしない。簡単なことでしょ、と首を傾けた。
エンティティさまが望むままに生きて、エンティティさまのために死ぬ。これほど幸福なことがある?
そんなことを考えていれば、チェルベッロは箱を取り出す。
「ではまず、守護者のリングを回収します」
「なに!?死に物狂いで取ったこのリングを返せというのか?」
「真の守護者であるならば、心配する必要もないでしょう。最終的にボンゴレリングは必ず持つべき主人の元へいくものです」
それなら、この戦いも結末が決まっているようなものじゃないの?決まった持ち主の場所へリングが行くのなら、リングに行方を決めさせればいいのに。こんな戦い、無意味な気がするけど。
回収しにきたチェルベッロに失くしたと言っているヒバリさん。ヒバリさんはチェルベッロにリングを押し付けてなかったっけ?チェルベッロは頷いて預かっていると言っていた。やっぱりね。
「それでは、大空戦のルールを説明させていただきます。大空戦も他の守護者同様、リングを完成させる事が勝利条件の1つとなります。ただし、フィールドは学校全体」
「広大なフィールドでの戦いを観戦できるよう、観覧席と各所に小型カメラと大型ディスプレイ。そして守護者の皆様にはカメラ搭載型モニター付きリストバンドを用意しました」
そう言ってチェルベッロは時計のようなものにも見えるリストバンドを配る。それが僕にも渡されて首を傾げた。
「この度の大空戦ではA様にもご参加いただきます」
「へえ?気がきくね」
「A様は無所属となります。ただし、守護者が接触した場合、その守護者が属するチームに加担することが許されます」
「なるほど。最初に会った守護者の味方になればいいんだね」
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作者名:怜 | 作成日時:2022年10月11日 19時