大空戦来る! ページ8
翌日の夜も、僕は結局ヒバリさんに連れられて行くことになった。行きたくないですと駄々を捏ねても無駄だったから、渋々だけどね。
「残りは雲と雷ですね」
「え、残りって……」
「用件は何?」
「やっぱ帰っていいですか?」
「ヒバリさん!!Aさんも!!」
ダメだと手首を握られる。そんなことしなくても逃げないのに。諦め半分でそう言っても、手の力を緩めるだけで離すことはなかった。
「命ある守護者全員に強制招集を発動しました」
「強制招集……?」
「奴もいるぞ」
そう言ってリボーンが視線をやった先には逃げたはずのマーモン。ご丁寧に檻に入れられた上に鎖で雁字搦めにされてるね。それから遠くから悲鳴のようなものが聞こえてきて目を向ければ、ベッドに縛り付けられているルッスーリアがいた。ランボも酸素ボンベと一緒にチェルベッロに抱えられてる。
「A様、エンティティより指令が下っています」
「エンティティさまから?」
「ええ。此度の戦いの勝者についていき、目的を達せよ、と」
手紙を掲げられ、訝しむようにそれを眺めれば、黒い霧が微かに漂っている。間違いない、エンティティさまからの手紙だ。
勝った方の力になりながら、目的を達成しろ、か。それをエンティティさまが望むのなら。
「そう。分かった、いいよ。全てはエンティティさまの御心のままに、僕は勝者に力を貸すことを誓おう」
「ありがとうございます」
「Aさん!?」
驚いたように僕を見る沢田綱吉。なに、と首を傾げれば、もごもごと口を動かすばかり。面倒だな、はっきり言ってくれない?
「だって、あれが本当にエンティティからの手紙か分からないのに……」
「あのねぇ、僕がそれくらい見破れないとでも思ってるの?あれは正真正銘エンティティさまからの手紙だ」
「でも、それだったらAさんに直接言えばいい話なんじゃ……」
「どうしてチェルベッロを介するのかは知らないけど、エンティティさまがそれを望む限り、僕が従わない道理はない」
チェルベッロに話を続けるように言って、沢田綱吉から目を逸らす。
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作者名:怜 | 作成日時:2022年10月11日 19時