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「悪いのは……私だ……」

「9……9代目!!」

「やっと会えたね……綱吉君……」


息も絶え絶えに、9代目は謝罪をする。ザンザスを永い眠りから目覚めさせてしまった、と。その言葉にリボーンは他者には悟らせない程度に雰囲気を尖らせた。


「XANXUSは揺りかごの後ファミリーを抜け、ボンゴレの厳重な監視下に置かれたはずだぞ」

「ゆりかご……?」

「8年前に起きたボンゴレ史上最大のクーデターのことだ」


クーデターの首謀者はザンザスだったらしい。最もその事実は機密扱いで、知っているのは上層部と当時戦っていた超精鋭のみ。なるほど、だからこんな回りくどいことを。

一度クーデターを起こしてしまったから、仇討ちが必要なんだね。というか、どうしてザンザスがクーデターを起こすことに?だって、9代目の息子なんでしょ?
それだったら、10代目となるのは何もしなくてもザンザスから揺るがないはずだ。他に候補者がいたとしても、ザンザスが選ばれたはずだよ。だって、彼は間違いなく実力者だ。力が物を言う世界なら、なおさら彼以外が選ばれるなんて思えないな。

ご覧よ。沢田綱吉は弱い。一般人として生まれ育った沢田綱吉と9代目の息子で暗殺部隊のボスのザンザスを比べて、沢田綱吉を選ぶなんて正気の沙汰じゃない。
……確かに最近の成長は目覚ましいものがあるかもしれないね。だけど、あんな甘っちょろい人間がマフィアのボスとしてやっていけるなんて、僕には到底思えないんだ。


血を吐いた9代目に沢田綱吉は一層顔を青白くさせる。9代目は小さく笑みを浮かべながら、話し始めた。


「いつも、君のことは……リボーンから聞いていたよ……好きな女の子のことや……学校のこと……友達のこと…………君はマフィアのボスとしては……あまりにも不釣り合いな心を持った子だ……」


「君が今まで一度だって喜んで戦っていないことも知っているよ……いつも眉間にシワを寄せ……祈るように拳をふるう……」


「だからこそ、私は君を……ボンゴレ10代目に選んだ……」


その言葉にザンザスが反応した。冷ややかな目で9代目を恨むように睨む。ああ、何かがあるんだと漠然と悟った。そうして、それが僕に関係ないことだとも。
そもそも僕にボンゴレの10代目云々は関係ないんだ。エンティティさまが偽者を殺すよう命令を下すから、この場にいるだけで。本来なら、沢田綱吉たちとの関わりもいらないんだ。

あー、飽きてきちゃったな。どうしてここにいるんだろ。

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作者名: | 作成日時:2022年10月11日 19時

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