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「僕からは言わない。Aが話したくなったら言えばいい」

「ヒバリはAに甘ぇな」

「この子だからね」


頭に置かれた手が慈しむように僕を撫でる。ちらりとヒバリさんを窺えば、その目には見覚えのある熱があった。ぐらりと地面が揺れて自分が真っ直ぐ立てなくなるような衝撃を受ける。そうして離れなければという使命感を持った。

エンティティさまの手を煩わせてしまうから。それは抱かれてはいけないものだ。恋情というものは僕を不自由にさせる。エンティティさまの逆鱗に触れてしまう。離れなければ……。

でも、今は無理だ。まずは過去に帰るために現状を打破しないといけない。今ここで離れるのは迷惑をかけてしまう。過去に帰ったらヒバリさんから離れよう。過去ならまだ間に合うはずだ。過去を変えれば未来も変わる。


10年後の僕は何をしているんだと怒鳴りたくなる気持ちを抑えて、よろしくお願いしますとヒバリさんに頭を下げた。ヒバリさんは僕の目を見ると、懐かしそうな、もどかしそうな表情をする。


「そうか。じゃあ、Aのことはヒバリに一任するぞ。オレが下手に手を加えねー方が良さそうだしな」

「理解が早くて助かるよ、赤ん坊」

「オレでもAのことは分かんねーことが多い。頼んだぞ、ヒバリ」


話は終わったと言わんばかりにリボーンは歩いていく。そういえば、敵のボス、白蘭だっけ?なんで、僕を狙ってるんだろう?ヒバリさんは知っているってリボーンは言っていたけど。
ついでに説明してもらおうと口を開けば、ヒバリさんは顔を歪めた。


「君が特殊な人間だからさ。炎がなくても生きていけるうえに、怪我はすぐに治る。加えてエンティティの加護がある。それがあれの興味を引いた」

「ああ、なるほど……」

「あれ曰く、君はこの世界以外のパラレルワールドに存在しないらしい」

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作者名: | 作成日時:2022年10月11日 19時

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