＊＊＊ ページ48
カエルがマーモンの首に巻き付いて締める。マーモンを中心として床に穴が空いた。そこから崩れ落ちていく地面。黒い影のようなものになった六道骸はマーモンの口から入り込み、その小さな体を爆発させた。
ようやく地面が元に戻って、エンティティさまの触手を還す。
「霧のリングはクローム髑髏のものとなりましたので、この勝負の勝者はクローム髑髏とします」
「え……ちょ……っ、そんな……そ……そこまでしなくても……」
「この期に及んで敵に情けをかけるとは……どこまでも甘い男ですね、沢田綱吉」
うんうんと頷いた。甘いよ、本当に。取捨選択の練習はしておけって言ったのにね。その後六道骸がマーモンは逃げたと言ったのを聞いて、安心したようにしているのも、どこまでもおかしい人だと思う。
ザンザスに一方的に言葉を重ねた六道骸は僕を見た。
「どうです？宣言通り楽しませてみせたでしょう？」
「どうかな。気分が悪くて見れたものじゃなかったのは確かだね」
「ああ、幻覚には耐性がない様子でしたね。それは悪いことをしました」
一欠片も思ってないくせにと恨みがましく呟く。本当、一から十までムカつく男だ。
「てんめ──どの面下げてきやがった！！」
「おい！獄寺！！」
「それくらい警戒した方がいいでしょうねぇ。僕もマフィアなどと馴れ合うつもりはない。僕が霧の守護者になったのは君の体をのっとるのに都合がいいからですよ、沢田綱吉」
そう言いつつも僕に近寄る六道骸。警戒して立ち上がれば、あと数歩といったところで止まった。その表情に若干の疲れが混じっていることに気付いて、時間かと悟る。
「少々……疲れました…………この娘を……」
言い終わらないうちに力を失う体。倒れている最中でクロームに変わったことに気付いて、その体を受け止めた。三叉の槍ももう片方の手で掴んで、安心したように眠っているその表情を観察する。
うん、顔色はいいね。内臓も元通り補ってもらってるみたいだ。
「こいつすぐくたびれるびょん。これだから人間は……」
「犬、いこう」
「待ちなよ。君たちが連れて帰るべきでしょ」
「起きりゃ自分で歩けんだろ？お前もそいつほっといていいびょん」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 27人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます！！面白いと言っていただけるとやる気が出ます！まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜！ (2022年10月7日 0時) (
レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…！楽しみすぎてつらい…！！なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください！！ (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：怜
| 作成日時：2022年10月1日 3時
