*** ページ27
でも、僕は守護者じゃないからあの人たちと好きなときに好きなだけ戦える。僕にとってはそういうイベントだ。ヒバリさんは守護者だから好きなときに戦えないけどねぇ。
ぷくく、と笑っていると、考え込んでいたヒバリさんに頬を軽く引っ張られた。
「それ、違うでしょ」
「嘘じゃないですよ〜!」
「じゃあ、なんで笑ってるの」
別に、とわざとらしく目を逸らす。眉を顰めたヒバリさんは深いため息をついて、それでもディーノさんに向き直った。その後ろでピースすると、ディーノさんは頭を掻く。
「恭弥はこの数日間オレの言うこと一切聞かなかったのにな」
「なんで僕が跳ね馬の言うことを聞かなきゃいけないの」
「ほらこれだよ。A、これからも恭弥のこと頼んだぜ」
その言葉にすぐには頷けず、ヒバリさんの様子を窺う。静かに僕を見ているヒバリさんは僕の言葉を待っているようで。……ディーノさんの言葉に怒ると思っていたんだけどなぁ。
未来の保証なんてできない僕の言葉なんて意味がない。だけど、2人がじっと見つめるから、流されるままに頷いてみせた。
***
お昼休憩にリボーンから呼び出されて、ヒバリさんに少し抜けると言ったあと、並盛公園まで突っ走る。用件は調べがついたあの女性について。僕の対戦相手で、死ぬことになる偽者。
大して息切れもせず辿り着いた公園のベンチにリボーンは銃を広げて待っていた。近寄って声をかけると、解体していた銃を組み立てながら座るよう促される。
「それで、どうだったの?」
「これが奴のプロフィールだ。こっちが経歴をまとめたもんだ」
「たくさん調べてくれたんだね。ありがとう」
渡された書類を読みつつ、六道骸から聞いた話とすり合わせていく。
彼女の名前はマティア。イエスの使徒の1人とされる聖マティアと同じ名前だね。名付けた親の意図がひしひしと伝わってくるようだよ。
その意図は生まれついてから彼女に課せられた教育にも出ているみたいだね。毎日のように村にある教会に通って、お祈りを捧げていた、と。彼女が5歳のときに当時神の使徒とされていた男性が天寿を全うした。
弔いのあと、選定の儀で選ばれたのがマティア。その際にオブセッションマークに似たあのマークを刻まれた。それから神の使徒として、彼女は村で持て囃され続けた。5歳から厄災が起こる16歳までずっと。自尊心は肥大化し続けたことだろうね。
27人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます!!面白いと言っていただけるとやる気が出ます!まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜! (2022年10月7日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…!楽しみすぎてつらい…!!なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください!! (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:怜 | 作成日時:2022年10月1日 3時