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「壊された校舎って誰が直すの?君たちが修繕費持ってくれる?」
「そこ──!!?」
「当たり前じゃん。最近修繕費が馬鹿にならなくなってきたところだし、こちら側では一切持ちたくないんだよね」
「ご心配には及びません。我々が責任を持って修復します」
ならいいよ、とチェルベッロに話の続きを促した。信じられないと言いたげな沢田綱吉を一瞥してまた目を閉じる。
何やらシャマルが殴られていたり、円陣を組もうとしている沢田綱吉たちを全て無視して、さっさと始まらないかなと腕を組んだ。
だって暇なんだもん。これから勝敗が着くまで何も出来ないんだよ。それに最長で15分かかるらしいじゃん。馬鹿げてるよ。5分で終わらしてほしいもん。
「それでは嵐のリング、ベルフェゴールVS.獄寺隼人。勝負開始!!」
先攻を取ったのは獄寺隼人。ダイナマイトが爆発して煙が立ち上る。その中から飛び出してきたのは僕も投げられたナイフだった。獄寺隼人を中心に囲うように浮いているナイフは、標的を突き刺そうとして、獄寺隼人が直前に躱したことによって床に刺さる。
煙の中で徐々に姿を見せるベルフェゴールに、獄寺隼人がまたダイナマイトを投げた。いつもより量が多いそれをベルフェゴールは一歩後ろに下がるだけ。機械の音が聞こえて、突風が吹き荒れる。それがダイナマイトを攫って、相手には一切傷がつかなかった。獄寺隼人のところにも突風が吹いて、何も出来ないだろうと思っていたとき、ベルフェゴールが投げたナイフは獄寺隼人の元まで飛んでいった。
わぁ、と小さく呟く。そのカラクリを解明するために回転を始める思考。普通ならあの突風の中標的に当てようとするのは至難の技だ。僕だって力技になっちゃうからね。
ただあの様子からはそんなに力を込めずにただ置いたように見えるんだ。風の流れを読んだみたいに。
『死ぬ程カンタンな話さ。吹き荒れる気流を読んで目標ライン上にそっとナイフを添える』
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怜(プロフ) - リィさん» ありがとうございます!!面白いと言っていただけるとやる気が出ます!まだストックは尽きていないので、今後も早めに更新できると思います。お楽しみに〜! (2022年10月7日 0時) (レス) id: 37b3e8feed (このIDを非表示/違反報告)
リィ(プロフ) - あ"ぁ"っ…!楽しみすぎてつらい…!!なんでこんな面白い話を作れるのか疑問です…更新頑張ってください!! (2022年10月5日 13時) (レス) @page32 id: 1730b53d16 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2022年10月1日 3時