アラートと目指せ管制室 ページ27
部屋に戻って膝枕を要求したアズールのご要望に応えていると、突如電気が落ちた。目が慣れなくて辺りが見えない中、アズールに抱き寄せられる。暗闇の中、薄青がチカチカと光った。
「アクシデント、ですかね」
「まあ、そうだと思うけど」
「イデアさんが対応してくれるはずですし、このまま待っていましょうか」
「うん。……でもさ、普通は非常用電源とか切り替わらない?」
ここ、仮にも『S.T.Y.X.』のアジトなわけじゃん。そういうの、完備してそうなものだけど。そういうわけでもないんだ。
2人で考え込んでいると、物が壊れる轟音が響く。これ、やばいやつかもな。タバコは手元にあるけど、魔法封じのチョーカーがあるからな。魔法は使えない。
そう思っていたのに、チョーカーが音を立てて外れる。アズールと顔を見合わせて俺はタバコに火をつけた。……うん、魔法が使えるようになってる。
不意にアラートが響いて、ブロット警報と繰り返されるアナウンス。赤い光が点滅して目が痛くなった。内線を使おうとモニターに手をかざしても反応しない。ドアを開けようとしても開かない。
「ドアロック、破壊しても良いかな?」
「この非常時ですから、問題ないでしょう」
「んじゃ、遠慮なく」
メキメキ、と歪むドア。程なくして鉄屑になったドアを跨いで部屋の外に出た。辺りを見渡せば、ヴィル・シェーンハイトも同じように外へ出ている。他の奴らはいないけど。
「廊下のつきあたり、一番奥の部屋のドアが破壊されてる……」
「そんな凶暴な被検体、いたっけ?」
「っ!?ああ、Aなの。驚かせないでちょうだい」
悪い、と軽く謝って天井を見上げた。
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作者名:怜 | 作成日時:2022年1月31日 0時