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それからリドル・ローズハートにおすすめされたゲームは『冥界伝説』っていうゲーム。初期8bitロムらしいけど、そんなに古いゲームは知らないな。
そもそも俺がこの世界にやってきたのは1年以上前だ。それ以前のゲームなんて、イデアさんから紹介されない限り知らない。
「初期8bit……って、かなり古いタイトルなんじゃないの？」
「ですです。拙者たちもこのゲームは、デジタル配信版でしかやったことがない。なぜならカセット版はプレミアがついてて、なかなか手にはいらんのですよ！」
「『冥界伝説』は35年前に家庭用ゲーム機向けに8bitロムカセットとして発売。プレイヤーは死者の国へ魂を運ぶ『船頭』となり、ステージに点在する魂を回収しつつゴールを目指すんだ」
横スクロールゲーか。元の世界で有名だったのは某配管工ゲームだな。赤い帽子を被ったおじさんがお姫様を救うやつだ。懐かしいな。最近じゃ色々進化してて、横スクロールじゃなくなったけど。あれもなかなか楽しかった。
「さあ、リドル・ローズハートさん。この8bitソフト専用のコントローラーを持って」
「あ、ああ」
「難易度はイージーモードに設定して、っと……よーし！それじゃあ、ゲーム・スタート！」
画面に目を向ければ、小さな小舟に乗った船頭が横へ移動を始める。その先々に現れる青や黄色の魂っぽいもの。さらに障害物らしい岩が流れ始めた。
「リドルさん、その青や黄色の炎を集めるんだよ！」
「岩にあたるとライフ減りますぞ！上ボタンで回避！」
「上ボタン！？コントローラーの上側にボタンなんかついていないよ！？」
「ブフォッ！想像の斜め上をいく返答、嘘でしょww」
ゲームをやったことないからってそんなことあるか？いや、リドル・ローズハートは生真面目だからな。ありえるのかもしれないけど。
それから少しすると、大きな黒い犬が出てくる。あれは避けなきゃいけないやつだな。一番下まで移動しないと避けられないはずだ。
「初見キラーの冥界の番犬キターー！一番下レーンまで移動して！」
「はっ！？えっ、今度は下！？」
混乱しているリドル・ローズハートは避けられなかった。それでライフはゼロになって、ゲームオーバー。
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作者名：怜
| 作成日時：2022年1月31日 0時
