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ワイシャツばかりが血に染まっていく。噛まれてもすぐに傷は塞がって、さらにフロイド先輩は苛立った。
「消すなって言ってんじゃん」
「僕のせいじゃないんですって……」
「チッ、うぜぇ」
また歯を突きつけられて呻く。ワイシャツの右肩は血塗れ。それなのに、僕の首には傷一つない。
僕も噛んでやろうか。そしたらこの痛みがわかるでしょ。
そう思って口を開くと、フロイド先輩は動きを止めた。急に止まるから、釣られて僕もそのままの状態で止まる。目を瞬かせたフロイド先輩はニマァ〜と笑った。
「あっはぁ♡なにそれ、ちょーカワイイ」
「……はい?」
「オレも〜♡」
フロイド先輩は大きく口を開ける。鋭い歯が綺麗に並んだ口内を見せられて困惑した。
なんでいきなり機嫌が良くなったの?怖すぎる……。
ご機嫌に鼻歌を歌って僕を抱え直すと、労るように首を舐められる。軟体が蠢く感覚に身じろぎすれば、長い腕が腰に巻きついた。
「すげー血だらけ〜。ね、痛かった?」
「そりゃ痛いですよ。自分の歯、見たことあります?」
「あるに決まってんじゃん。馬鹿にしてんの?」
イイエ、と首を振る。動くな、と頭を掴まれてまた舌を這わされた。
なにこれ。僕、なんでこんなことされてるの。
気持ち悪い感覚に身を竦めながら、早く終われと願う。
数分後、満足したらしいフロイド先輩が顔を離した。でも、腕は外してくれない。
「あの、シフト表書き終えたいんですけど」
「ん、いいよ」
「腕、離してくれません?」
「はい、ペンとシフト表」
「話聞いてないですね?」
仕方なくフロイド先輩と向き合ったまま、背中を丸めてシフト表を書き込む。スマホを取り出したフロイド先輩は何の断りもなくシャッターを切ると、そのままマジカメに投稿した。
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怜(プロフ) - もち。さん» ありがとうございますー!この3章でぐぐっとレオナさんとの距離が縮まることでしょう、きっと。バトルはお楽しみに!なるべくかっこよくします! (2020年12月11日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
もち。(プロフ) - 意外とレオナさん狂信者くんのこと気に入ってて読んでいてにやにやが止まりませんでした。リーチ兄弟と狂信者くんのバトルも気になる…っ!不干渉薬をどうクリアするんだろうか…続きを楽しみにしてます!ひそやかに応援してます。 (2020年12月9日 19時) (レス) id: 2eef4b8e10 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - MAERさん» ありがとうございま〜す!狂信者は何をやらせても楽しいですね……更新頑張ります! (2020年10月11日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - もち。さん» ありがとうございます!絶対言わせるぞという強い意志を持っていたので言ってもらっちゃいました〜!エンティティさまバンザイ!求愛ネタも書きたかったので……喜んでもらえて良かったです!もち。さんもご自愛くださいね。更新頑張ります! (2020年10月11日 0時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
MAER - 続編おめです!夢主の性格どちゃくそすこ、、、((やっぱり狂信者は最高ですね、、! これからも頑張って下さい、!応援してます! (2020年10月10日 19時) (レス) id: 7446762651 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年10月10日 1時