魔力よりタバコをくれ 七本目【ツイステ】

番外編【アズールと部活】 ページ8

もち。さんリクエストです。オクタの部活に顔を出すマクミランくんです。

＊＊＊



アズールに渡すための書類を片手に、校内を歩く。今日は珍しく部活に出るって言ってたし。ボードゲーム部の部室に行けば、会えるだろ。


──ボードゲーム部の部室。


こんこん、とノックをする。返事がないからドアを開けてみれば、アズールはいなくて代わりに……。えっと、イデア・シュラウドだっけ？


「ﾋｴ……な、ナンデ」

「アズール、知りませんか？」

「ｱ、エ、その…」


部屋の隅に素早く移動したかと思えば、身を縮めたその人。
えーっと、この場合どうすればいいんだろう。人見知りっぽいし。無理に話しかけるのも……。

困った、そう思って視線をやれば、震え上がった。これ、俺が悪いわけじゃないよな。


「ア、アズール氏は飲み物を買いに行きましたｯ！！」

「あ、そうなんですか。じゃあ、待っときます」

「ファッ！？」


目を見開いて青色のリップが塗られた唇を震わせる。できれば帰ってほしい、なんて副音声が聞こえてきそうだ。

不意に机の上から駒が落ちる。そういえば、ここはボードゲーム部だ。
拾い上げたその駒は車の形。


「マジカルライフゲーム、だっけ？」

「し、ってらっしゃる！！？！？」

「何度かやったことがあるんで」
「こんなことを言うのは非常に不躾かとは思いますが何かのご縁ですし一緒にやりませんか？アッ拙者とやるのは嫌ですよねそうですよね陰キャとは一緒にやりたくないよね」


早口で言われたその言葉。ゆっくりリピートすれば、お誘いを受けているのが分かった。チラリ、と時計を見てまだ大丈夫なのを確認する。


「こっちにも都合があるんで、それまでだったらいいですよ」

「ふぉっ？いいんですか、言質取りましたぞ」


──数分後。


「イデアさん、戻りまし……」

「5マス進んで土地ゲット。ついでに金も」

「おっ、やりますな。拙者も負けませんぞ〜！」

「……思わぬ伏兵ですね」

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