魔力よりタバコをくれ 三本目【ツイステ】

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頭を撫でる大きい手はすごく優しい。

任せても大丈夫？本当に？くるくる頭の中で回る疑問。だって、これは俺が蒔いた種だ。自分で刈り取らなきゃ。
責任感じてるんだ。三人を巻き込んでること。優しくしてくれるから、甘えっぱなしだけど。寮に置いてもらうだけでも、充分だったんだ。


「僕たちは迷惑だと思っていませんよ」

「そーそー。楽しいから大丈夫だよ」

「試してみますか？」


誰かに頬を包まれて、俺の目を覆っていた手が外れれば、アズールが目の前にいた。額を合わせて、目を閉じるアズール。
すごく穏やかな顔だから、あんなに波立っていた感情が落ち着いていった。変なの。変だ。

俺は存外三人に影響されるらしい。なんだかどうでも良くなって、大丈夫って言ってしまった。おかしいなって思うのに、三人が大丈夫って言うなら大丈夫なんだって。


「落ち着きましたね。いいこ」

「さて、先にお客様のお見送りを。ジェイド、フロイド。お願いできますね」

「うへぇ、オレらにさせんのかよ」


ジェイドにこめかみにキスを落とされて、フロイドは反対側にする。アズールに手を引かれて、ソファーに座った。ドアが閉まる音がして、肩の力が抜ける。

救急箱を持ったアズールが、血がこびりついた俺の手を取った。手慣れた手付きで消毒を済ませて、包帯を巻いていく。
沈黙が辛くて、口を開いた。


「……ごめん」

「え？どうして謝るんです？」

「だって、冷静じゃなかった。悪い、ご機嫌伺いみたいなことさせて」


目を瞬かせたアズールは吹き出す。ふはって笑って、くすくす肩を揺らした。俺が口を尖らせると、さらに笑い出す。
もう、好きにしてくれ。

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