選手の入場と暴徒 ページ5
「大変長らくお待たせいたしました。いよいよ選手の入場です!」
「ワ〜〜〜〜!!」
「うるさ」
そんなワーワー騒いで、そんなに楽しいかな。
顔を歪めた俺に、フロイドが心配そうに見つめる。気にするな、そういうように笑えば、手を握られた。
目を瞬かせる。大きい手が俺の手をすっぽりと包み込んで、手の甲を撫でた。
「手ぇ繋ぐだけでもストレス減るんだってー。知ってた?」
「いや……知らなかった」
繋いだ手を軽く揺らしながら、フロイドは歩く。ワーワー騒いでいた観客も、あまり気にならなくなった。
手を繋ぐってすごいんだな。今度試してみよう。
選手入場のために、フロイドと集合場所に向かう。その間も離されることのない手に、少し意識を引っ張られながら歩いていると、周りが変に騒がしい。
「うわあ〜〜〜〜!」
「逃げろ!」
「どけ!ぶつかるぞォ!!」
何が起こってるんだ?
観客が暴走している、とアナウンスが入った。前方を見ると、本当に観客が走り出している。
これってやばいんじゃ……?
フロイドを見上げると、面白いものを見つけた、と言わんばかりで。通常運転だな。
アナウンスが落ち着くよう呼びかけても、収まることはない。
不意に後ろから押された。目を見開く。全部がスローモーションに見えて、自分がゆっくりと倒れ込んでいくのが分かる。
ふらついて、観客に呑み込まれそうになって。
今倒れたら、マジフト大会には出られないだろうなって。
目を固く瞑った。
「ッあっぶねー!」
「フロイド、」
目を開いて状態を確認すれば、フロイドに抱き寄せられていた。
「焦ったー!もう!手ぇ繋いでなかったら、シャチちゃん巻き込まれてたじゃん!」
目を吊り上げるフロイド。咄嗟に引き寄せてくれたんだろう。焦りの表情を浮かべていた。
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怜(プロフ) - ララーサさん» ありがとうございます〜!更新頑張りますね! (2021年1月6日 17時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
ララーサ - ヤンデレ最高♪僕的にはもっと狂ってほしいですね♪ (2021年1月6日 0時) (レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
ララーサ - ズブズブ、オクタ色に染まっていくのを見るのちょー楽しい♪男主君の性格が悪くなるのも面白すぎ♪ (2021年1月6日 0時) (レス) id: 60e0ce23dd (このIDを非表示/違反報告)
怜(プロフ) - パーソナリティーは殴りあわない!!さん» ありがとうございます!!更新頑張りますね! (2020年9月3日 19時) (レス) id: aa4ac3f208 (このIDを非表示/違反報告)
パーソナリティーは殴りあわない!! - えー!待って最高控えめにいってもどう足掻いても最高大好きです!応援してます!!! (2020年9月3日 7時) (レス) id: 0f8c4e7ebd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:怜 | 作成日時:2020年6月6日 15時