魔力よりタバコをくれ 二本目【ツイステ】

番外編【フロイド】 ページ36

side：フロイド

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シャチちゃんを探しながら、廊下を歩く。教室で待っててって言ったのに！まあ、オレ、シャチちゃんのお世話好きだから、結局許しちゃうんだけどさ。


「あの、マクミランさんがずっと前から好きでっ」


不意に聞こえた声。ドアを蹴破れば、案の定シャチちゃんと知らねえやつ。
ほんと、ムカつくな。勝手にオレの番連れ出しちゃってさ。

こっちを見て、驚いた顔をする雑魚。シャチちゃんは目を瞬かせていた。
きょときょと、不自然に泳ぐ目。へんなの。

まあ、それは後にして雑魚を蹴っ飛ばす。マジでうぜぇ。


シャチちゃんを抱き寄せて、キスをした。唇を合わせるだけが、やめられなくなる。
ほんとにやめられなくなるとやべーから、ほどほどで離してシャチちゃんの顔が見られないように隠した。


「なに人のもんに手ぇ出そうとしてるわけ？死にてーの？」

「ち、ちがっ！」

「違わねーじゃん。うざぁ」


全身の血がグツグツと沸騰してるみたいに熱い。どうしてやろうか。シャチちゃんがオレのになって、その噂が広がってから誰も近づかなくなったはずなのに。

なんで、雑魚が、シャチちゃんに、近づくわけ？


「Aさん、僕の声が聞こえますか！僕ですよ！きみの、がぁッ！！」

「きっもい声でシャチちゃんの名前呼ばないでくれる？つか、なんかシャチちゃんに使ったな？」


さっきからぼんやりしてるシャチちゃん。人前でキスしたら抵抗するシャチちゃんがされるがままっておかしいと思ったんだよね。


「ふろ、いど。フロイド」

「なあに、シャチちゃん」

「な、で……せっかくの魔法薬がっ」


オレの腕の中のシャチちゃんが雑魚を冷めた目で見るから、許可をもらえたような気持ちになる。
いいんだよね。思いっきり絞めても。オレのシャチちゃんに害を加えるやつだから。


「A、言って」

「いいよ」

「あは、あはは！ありがとぉ」



これが終わったら、いーっぱい褒めてね。

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