魔力よりタバコをくれ 二本目【ツイステ】

放課後のひとときと電話 ページ1

side：A

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授業も終わり、放課後。今日は部活の気分、と歩いて行ったフロイドを見送って、俺も教室を出た。

メインストリートまでの道を1人で歩いていると、やっぱり周りの目が気になる。見るな、とは言わないから、せめて分からないようにしてほしいものだ。
大きくため息をついて、校舎から出ると見知った顔を見つける。あっちも俺に気づいたみたいで、顔を明るくさせて手を振ってきた。


「Aさーん！」


ぱたぱた、と駆け寄ってくる監督生。その後ろにはグリムたちもいた。
これは原作の途中か？となると、あまり行動を共にするのは良くない、だろうし。

キラキラと目を輝かせる監督生は上がった息をそのままに、俺の腕を掴む。


「Aさんも行きませんか、栗拾い！できたてのマロンタルト、食べませんかー！」

「監督生、A先輩も用事があるかもしれないだろ。すみません、先輩」



大丈夫、と言いかけて、コール音が俺の言葉を遮った。悪い、と断りを入れて画面を見ると、アズールの文字が。
急用か？珍しい。

もう一度断って、電話に出た。


「フロイドを見てませんか？」

「今日は部活の気分って言ってたけど」

「………実は、フロイドは今日キッチン担当なんですよ」

「あ〜、なるほど」

「折り入ってお願いがあるんですが……まあ、僕たちの仲ですから。Aは断らないでしょうけど」


電話越しでもアズールがにこやかに笑っているのが分かる。額を押さえて、了承の返事をした。それから、少し会話をして電話を切る。

監督生たちに向き直って、苦笑した。


「悪い、予定が入った」

「そ、そんな」


今にも崩れ落ちそうな監督生。いつの間にこんなに懐かれたんだ？
疑問に感じながらも、頑張れと励ます。

じゃあ、と踵を返すと、お土産持って帰りますから、と全力で叫ばれた。振り向いて笑ってやると、満足そうに駆けていく監督生。

悪いことをしたかな。

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