アネモネ sho.sakurai (ページ1)

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いつもと変わらない電車、いつもと変わらない景色

忙しなく歩くサラリーマン

そんな風景をすり抜けながら、今日も私は会社に向かう。

私が勤めている会社はそこそこ名の知れた会社で日本中に支社もある、いわば大企業と言ったところだ

私はいま、横浜支社の企画営業部で働いている

今の仕事に不満を感じることは無い。

が、しかし、私も今年で27になる年、、

周りは着々と、彼氏を見つけ結婚へ向けている最中
私は彼氏いない歴3年を迎えようとしている。

最後に彼氏がいた時は25の頃で私が仕事に熱が入っていた時期だった。

大学の頃から付き合っていた、彼とは、このまま行けば、結婚するんではないかと思っていた。

思えばそれが甘かった。

あろう事が、私が仕事を一生懸命やっている最中、当時付き合っていた彼は、他のオンナノコと付き合っていたのだ。

そしてついにはその女の子と結婚するといいだし、彼から別れを切り出された。

何年もの間の絆がこうも簡単に崩れるという事実に、私は悲しかったが、それからというものより一層仕事に励むようになった。

そんなことがあったせいか、あれっきり、恋愛というものを全くしていない。

特別、結婚したい願望は強くはないが、このまま行けば、会社のお局様的な存在になるのは間違いなしだ。
それだけは絶対に、避けたい…

そんなことを考えながら、会社に着いた。

自分のIDをスキャンしてエレベーターに乗る。

いつもは、人で混みあっているはずのエレベーター
が今日は私を含めて、二人しかいない。

15階のボタンを押した私はエレベーターの端に身を寄せ、じっと時間が過ぎるのを待った。

一緒に乗っていた、人もきっとそう思ったのだろう。お互い息を殺して、階が上がるのを待った

程なくして、同乗者の男性が目的の階に着いたので、エレベーターは止まり、彼が降りたのだか、

ふと、エレベーターに残っている、紺のハンカチを見つけた。

これはさっき乗っていた人のものではないかと思い私は急いで上昇するエレベーターをこじ開け彼を追いかけた。

「すみません、これ落としませんでしたか？」

私は、その男性に声をかけたのだか、その瞬間その容姿に目を奪われた。

バッチリした二重の目にぽってりした唇、鼻筋は真っ直ぐに通り、フランス人形かと思われる顔立ちだった。

まぁ、俗に言うイケメンと言うやつだ。