アマリリス (ページ45)

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『･･･あのさ、』

「はい」

『さっきの話の続き、してもいい、？』

「･･･うん」

『･･･私、あの日隼くんになんて言ったの、？』

繋がれた手にギュッ、と力を入れると
隼くんもギュッ、と握り返してくれた。

風に吹かれてなびく隼くんの髪。

今日も相変わらずニット帽から金髪が少しだけはみ出している。

私は隼くんの目を見つめるけど、その視線は交わらない。

少し俯きながら隼くんは口を開いた。

「･･･好き、･･･俺のことが好き、･･･」

" ･･･私ね、隼くんのことが好きなの "

頬を赤くした隼くん。

･･･私ってば、どうしてそんなこと。

酔った勢いで。

なんてこの歳になって言い訳できない。

そんなことを言った私にあれからずっと普段と変わらずに話しかけてくれた隼くんって、どれだけ心が広いの？

『･･･ごめんなさい。』

「･･･え？」

『私、隼くんを困らせるようなこと言っちゃって。わ、忘れて？酔ってた私が言ったことだから、･･･』

「･･･そんなこと、できない、」

『･･･、え？』

交わらなかった私たちの視線はやっと重なった。

顔を上げた隼くんは耳を真っ赤にして
まっすぐ、私の瞳を捉えて逃がしてくれなかった。

「だから、忘れられない。好きな人から好きって言われたこと、忘れられるわけないじゃないですか。」

繋がれていた手の平に乗せられた花型のピアス。

花びらに付いているジュエリーがキラキラ光って眩しい。

「ハッピーホワイトデー！」

『･･･かわいい、』

「･･･ねぇ、Aさん」

『･･･ん？』

「好きです。Aさんのことが大好きです。」

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