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「わ!Aさん!」





夜も更けた街中で一人歩いていた時、後ろからそう名前を呼ばれた気がして振り向くとニット帽を被ってマスクをした人がこっちに向かって走っきている。
ニット帽からはみ出す金髪はもう彼しかいない。

私の目の前に来ると 少しだけ息を切らしてる。
私の手を握ると人通りの少ない道に連れてかれた。





『ちょっと、隼くん・・・?』


「・・・こんな遅くに何してるの」


『何って、仕事帰りだけど・・・』


「あいつは?一緒に働いてる哲也さんじゃない方」


『いつも送ってくれたりなんかしないよ。そういう関係じゃないし』


「そういう関係じゃなくても女の子の帰りが遅い時は送ってやるもんやろ」





・・・でた、隼くんの関西弁。
まずい。これは怒ってるやつです。
隼くんの口から関西弁が出るのは思いっきり素の時だけ。





『隼くん?私は平気だから、ね?』


「俺が平気じゃない。もし変な人に連れてかれて何かされたらどうすんの?逃げられる?」


『・・・わっ、』





突然握られて壁に押し付けられた私の手首。
ビクともしない隼くんの力に 私は首を横に振った。





「でしょ、?だから言ってんじゃん、一人で夜遅くに出かけたらダメだって」


『・・・ごめんなさい』





隼くんは はぁ、とため息をひとつ零したあと、私の首元を見つめた。





「・・・俺があげたネックレス」


『・・・せっかく隼くんがくれたものだもん。毎日つけてるよ、仕事に影響ないから』


「Aさんって素直だからそういうことすぐ口に出しちゃう。それに鈍感だからそんなこと言われたら喜ぶなんて知らない」


『・・・え?』


「俺、Aさんのことが好きなんだよ?これも何回も言ったのにAさんは全く意識してくれない。」


『・・・隼くん、?』


「俺、どうしたらAさんを振り向かせられる?」





隼くんはマスクを下にずらした。

きっとこの雰囲気が悪いんだ。
夜遅くて隼くんも疲れてる。
人通りは少なくて裏の通りだから怪しい空気が漂っている。
こんな雰囲気だから、だから隼くんもいつもと違う感じなんだ。そう、きっとそう。





『・・・はや、っん、・・・』





ぐっ、と近づいてきた隼くんの顔。
その距離はあっという間にゼロセンチ。
それと同時に熱くなっていく私の唇。
そして感じる隼くんの唇。









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私は隼くんにキスされた。









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くるみ。(プロフ) - 彩華さん» わー!ありがとうございます! (2020年4月16日 9時) (レス) id: dcb2ebda86 (このIDを非表示/違反報告)
彩華(プロフ) - 早速読んじゃいました!アマリリス(^_^)こっちもとっても素敵なお話でした!続編楽しみです! (2020年4月16日 5時) (レス) id: 303c26c9ac (このIDを非表示/違反報告)
くるみ。(プロフ) - 愛さん» あらあら笑 (2018年12月26日 20時) (レス) id: dcb2ebda86 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 北人くんともくっついて欲しくなりました(笑) (2018年12月26日 2時) (レス) id: d15d3a289f (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:くるみ。 | 作成日時:2018年9月12日 5時

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