興味 ページ10
〜No side〜
アインツベルンの城から霊体化によって冬木教会の一室に移動した英雄王と華苑は、それぞれに寛ぐ姿を見せた。英雄王は普段のように酒を開け、大怪我の病み上がりの身で無茶をした華苑は掛け椅子に腰を下ろして、いや、体育座りで仮眠を摂り始めた。ソファに座るべきは英雄王だと判断した為である。
「全く…己が欲より王の席を優先する所は賞賛するべきだが、死にかけた者がコレでは哀れだな」
英雄王は呆れて卓にワイングラスを置き、既に寝てしまった華苑を腕に抱えると、自分がふんぞり返るスペースを残した範囲に寝かせた。
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「随分と上機嫌だな。アーチャー」
「そういう貴様こそ、上機嫌ではないか」
現れた言峰は一瞬だけ怪訝な目を見せたが、すぐに表情を戻した。
「これは安堵だ。やっと、重い役目から開放されたのだからな。…華苑は、眠ったのか？お前の前で」
「そう見えるが、何故だ？」
「……いや、華苑は薬を使わん限り人前で眠ったりなどしなかったものでな。少々意外だっただけだ」
ほう、と英雄王は目線だけで華苑を見る。何か気を負うような様子も無ければ、眠る事に対して些かの躊躇も無かったと見えていたのが、英雄王にとって不思議だった。しかし、ん？となる。
「待て、待たんか綺礼。貴様今、薬をと申したか」
「確かに言ったが、それがどうした」
「……こんな小娘に睡眠薬の類を使ったと？」
「まさか。かつて時臣氏が魔術で生み出した即効性の薬だ。あまりに強力で、一度使うと３日は起きずに居たな」
小娘に使う物では無かろう、と思うだけで英雄王は今以上の言葉は無かった。
「随分と貴様ら魔術師は嫌われたものだな。こやつの令呪と関係があるのか？」
「さあな。…いや、そうかも知れないが。華苑は、時臣氏を嫌っているからな」
「時臣を？そんな様子は無かったがな」
ああ、いや違うと否定した言峰は訂正した。
「嫌っているのではなく、信用していない…という方が正しい」
「貴様は、華苑の過去を…いや、こうなった経緯を知っているのか？噂程度にでも」
言峰は首を縦にも横にも振らず、棚から綴られた紙を持ち出して英雄王の前に投げ置いた。
「これは？」
「華苑に関する、魔術協会によって秘匿された数年を客観的に…いや、実験的に書き記したものだ。時臣氏が所有していたものを、私がコピーした」
英雄王は手に取り、ぺラッと色褪せた表紙を捲る。途端に眉を顰めた。
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まつよ - 面白かったです。是非、ステイナイトの時の主人公を見てみたいです。 (2019年5月29日 21時) (
レス) id: 4baad1a05f (このIDを非表示/違反報告)
かなと - 編集画面をよく読みオリジナルフラグをお外し下さい違反です (2019年5月10日 15時) (レス) id: 483535372f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：華苑 | 作成日時：2019年5月10日 11時
