�� ページ14
.
Aが機嫌のいいときに奏でる鼻歌の曲名も、甘えたい時には上目遣いに口角をほんの少しあげて見つめてくることも、服の下の柔らかな肌のことを知っているのは自分だけ。
他の男共は知らない。
そのことがフレッドに優越感と余裕を生み出している。
｢じっと見つめてなに？｣
またからかわれるのを警戒しているAが見てきたので、フレッドは指で眉間のシワに触れた。
｢むくれた顔もチャーミングだな、って｣
｢もう！｣
｢その調子で今年は平穏に1年を過ごせるといいわね｣
顔をそむけたAの先にいたアンジェリーナが挑発的な笑みを向けてきたので、快く応戦しようとフレッドも微笑む。
Aとジョージが一緒になって肩をすくめるのが見えた。
｢俺の幸せをお前にもお裾分けしたいくらいだぜ｣
｢あんたの幸せも短いかもよ、フレッド。聞いたでしょ、10月にダームストラング校が来るわ。あそこはほぼ男子校よ？｣
｢おいおい、この休暇中に彼氏と別れたからって人の不幸を望むなよ｣
去年のセドリックようにAを狙う男が増えることを忠告したいようだが、去年と今年とではフレッドの心持ちも違う。
ムキになって言い返してくるだろうと思っていたアンジェリーナは、余裕のあるフレッドの態度に怪訝な顔を見せた後にすぐにニヤけた顔でAを見た。
｢あぁ、そう。そういうことね｣
向けられた言葉の意味が分からないAは不思議そうな顔で首を傾げる。
しかしアンジェリーナの言いたいことが分かるフレッドは得意気な微笑みを浮かべるだけだ。
｢いいわよ、あたしがイイ男見つけるから｣
｢アンジェリーナ、何がそういうことなの？｣
｢今度オススメの空き教室教えてあげるね。あ、フレッドのほうが詳しそうだけど。あーあ、あたしが夏休み中に失恋したっていうのにソッチは順調そうで何よりだわ。まぁ気をつけなよ、ホグワーツじゃアンタ達は公認のカップルでも他校生には関係ないんだからさ｣
何気ない口調のアンジェリーナからアドバイスを受けて、フレッドは素直に頷いた。
確かに、アンジェリーナの言う通りだ。
今年はずっとAのそばにいた方がいいだろうな、とフレッドが考えているとAがやけに深刻な顔になっていることに気がつく。
｢A？｣
ジョージが先に声をかけると、Aは顔を両手で覆った。
.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 723人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ハリーポッター」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
トオ(プロフ) - 更新有難うございます…！次も楽しみです❕ (2022年9月28日 10時) (
レス) @page50 id: 140729f59d (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - みらんさん» 更新してからお返事しようと決めていましたが、大分遅くなってしまいました。ダンスパーティーまでまだありますが引き続き頑張りたいと思います。コメントありがとうございます!! (2022年9月18日 22時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - とうふさん» お返事がとても遅くなってしまいすみません。更新はするつもりでいます！どうかもう少しお待ち頂ければと思います…！応援のお言葉ありがとうございます!! (2022年8月21日 0時) (レス) id: c3dd0cadc5 (このIDを非表示/違反報告)
みらん - ダンスパーティーのところ楽しみにしてたので残念です。更新待ってます💪💪 (2022年8月13日 0時) (レス) @page41 id: e061b386f2 (このIDを非表示/違反報告)
とうふ(プロフ) - もう更新はないのでしょうか？？ 更新楽しみにしています…！！ (2022年7月21日 0時) (レス) @page41 id: 2c85f96aa8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：しらたまコ | 作成日時：2022年2月12日 0時
