最後の朝 ページ7
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いつも通りに朝がきて、ハウスでの最後の日。
いつもと違ったのは、朝食の時にAの隣に座っているのがレイではなく、ノーマンなことくらいだ。
レイはふたりの変化に気づいた。
そして、きのうのAの言葉を思い出す。
｢思い出、ねぇ｣
明日の朝にはAがいない、という現実を明日レイは受け入れることができるか分からなかった。
今日中に脱獄をしようかと考えを巡らせても、失敗することしかイメージ出来ない時点で全てを投げ出したくなる。
｢A、テスト後の時間僕がもらってもいいかな｣
｢えー！ノーマンずるいよ!!｣
｢エマはきのうAと夜更かししてたでしょ？｣
｢何で分かったの!?｣
｢エマもAも目の下にクマが出来てる。Aだってちょっと休まなきゃ、出発の日なんだから｣
｢そうだよね。私もちょっとお昼寝しとこう｣
｢ふふ、午後はみんなで遊ぼうね｣
Aの言葉にエマもにっこり笑って、レイもだよ、と言われたので短く返事した。
そこからはまたいつも通り。
テストを受けて、昼飯食べて、弟妹達みんなで鬼ごっこして。
あっという間にAが旅立つ時間。
｢A元気でね！｣
｢ぜーったいお手紙書いてね！｣
｢ぼくたちのこと忘れないでね！｣
玄関に集まった弟妹達にそれぞれ声をかけるAの優しい笑みに、レイは一層胸が締め付けられた。
｢レイ｣
エマともノーマンとも別れのあいさつをしたAに、呼びかけられる。
｢みんなのことお願いね｣
イザベラに、変に聞こえなかっただろうか。
なんて言葉をかけていいか迷っているうちに、時計を見たイザベラが出発を告げた。
｢それじゃあ、元気でね｣
いつもの綺麗な微笑みを見せて、Aはハウスを去っていった。
脱獄を諦めそうになったレイを後押ししたのは次の日、コニーの出荷を知らされてからだった。
Aの犠牲を無駄にするわけにはいかないと、作戦にうつることにした。
＊＊＊
｢行きましょう、A｣
トランクを持ったイザベラの後ろをついて行く。
ハウスの明かりが届かなくなっても、イザベラの持つカンテラの灯りで充分すぎるほど夜は眩しかった。
｢ママ、星が綺麗ね｣
｢あら、あなた昨晩抜け出してたでしょう｣
やっぱりバレてたのね、とAはイタズラな笑みをする。
｢新しいお家でも頑張りなさい。貴方なら出来るわ｣
イザベラの表情が少し歪んだ気がして、Aは一層笑って見せた。
20190526
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
