見送る朝には ページ39
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翌日、朝早くから机に座ってペンを走らせるノーマンを傍らで見守る。
決して悪い意味ではなくノーマンは変わってしまったんだと思う。
私だって変わってしまった。
ハウスにいた時のように、綺麗なものばかり見てはいられなかったから。
｢A、考え事？｣
手を止めたノーマンに聞かれて首を振った。
｢いいえ、大丈夫｣
何が大丈夫なんだろう、と自分で笑ってしまいたくなる。
あぁ、でも間違いなく大丈夫ではある。
｢ノーマンが決めたことなら、私はそれについて行くだけだから｣
そう。
これだけは間違いなく大丈夫だ。
私の全ては、ノーマンだけだから。
｢そう。ならいいんだけど｣
またペンを走らせようとしたノーマンの首に腕を回して背中に抱きついた。
｢ひとつだけお願いしてもいい？｣
｢うん？｣
｢絶対に帰ってきてね｣
｢もちろん｣
首に回した腕にノーマンの片手が伸びてきて、その温もりを感じる。
｢ザジも一緒だから安心して｣
｢分かってる。けど･･･｣
｢大丈夫｣
大丈夫、なんて保証のない所へ行くくせにと出かかった言葉を飲み込んだ。
止めることは出来ない、それは分かっている。
それでも、と心配になる。
｢A｣
ノーマンもAが言いたいことを分かっている。
｢絶対に無事に帰ってくる。Aが待っているところへ｣
｢･･･うん｣
｢大丈夫だよ！もし死ぬことがあってもAの腕の中って決めてあるから｣
笑顔で振り返られて思わず笑ってしまった。
｢分かった｣
｢だから心配しないで。笑って見送ってね｣
｢･･･心配はするわ。ノーマンがいない夜はベッドが広くて落ち着かないのよ｣
ふふ、と笑いあったところでドアのノックがした。
ノーマンから離れ、Aもドアへ向かう。
｢おはようヴィンセント｣
｢あぁ、シスターおはよう｣
｢ボス、ザジにも会ってくるわ｣
｢あぁ｣
どこに、と探さなくてもザジはすぐ外にいた。
いつでも出発出来るように待機していたのだろう。
Aの姿に気づいて寄ってきたザジの手を取る。
｢うー｣
｢ボスを守ってあげてね｣
僅かに頷いたザジに微笑む。
｢ちゃんと2人で帰ってきて。私待ってるわ｣
｢ううー｣
｢いい子｣
アジトを出て行くノーマンとザジを子供達と一緒に見送る。
｢ねーシスター？また増えるの？｣
｢いいえ、ボスはオトモダチに会いに行ったのよ｣
相手が鬼だとは言えない。
こんな小さな子が知る必要もない。
20190625
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おん - もうやめましたか…？ (2020年8月10日 14時) (
レス) id: 79df10e130 (このIDを非表示/違反報告)
レンリ - 戻って来て下さい！ (2020年8月9日 9時) (レス) id: cff600fdbd (このIDを非表示/違反報告)
奈津子(プロフ) - 更新お願いします！ (2020年5月10日 0時) (レス) id: 55bc886d22 (このIDを非表示/違反報告)
沙綾 - 新刊発売されてま〜す。続き楽しみにしてます。 (2019年12月14日 23時) (携帯から) (レス) id: cbd580bb22 (このIDを非表示/違反報告)
しらたまコ(プロフ) - もちもち桜餅さん» お返事遅くなってすみません(><)ちょうど再会編に手を出していたので、書き終わってからお返事しようと思っていました！無事に円満な再会を書けたので安心して読んでください(><) (2019年6月21日 1時) (レス) id: 579bce1089 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：しらたまコ | 作成日時：2019年5月24日 1時
